【心身の発達とセルフケアを考えるからだメンタルラボblog】

様々な心理相談の現場経験や体験を基に、心身の発達や心と身体のセルフケアに役立つ情報や書籍を当事者・保護者・教職員や支援者向けに掲載しています。

麹町中校長から学ぶ子育てに大事なこと【子どもが生きる力をつけるために親ができること】

子育てにおいて、

何を大切にするべきか、

親御さんは迷うことが多いです。

 

その迷いに対して

メディアでもしばしば話題になっている

麹町中学校の型破り校長、

工藤勇一さんが

自身の子ども観、子育て観を紹介する

”麹町中校長が教える

 子どもが生きる力をつけるために

 親ができること”

という本があります。

 

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子どもというものへのイメージから、

合理的配慮やいじめ問題、

さらに学校、教育委員会への対応まで

非常に幅広く現代の子育てに必要な情報が

現場での経験に基づいて紹介されており、

おすすめの一冊でした。

 目次

 

麹町中学 工藤勇一校長

聞いたことのないという方は

今や少ないかもしれませんが、

千代田区の麹町中学校の校長先生で

学校の当たり前を変えた校長

として様々なメディアで取り上げられています。

 

その実践の内容は

  • 宿題、定期テストの廃止
  • 服装頭髪指導の廃止
  • 固定担任制の廃止

といった驚くべきものでした。

 

本書はこれらの背景となる

工藤さんの子ども観、

子育て観を知ることができる一冊です。

 

内容

はじめに

01子どもはもともとは主体的な生き物

02手をかけないほど、子どもは自律する

03不幸になるなら「理想の子育て論」はいらない

04子どもは思うようには育たない

05どんな環境でも挑戦できる強い脳はつくれる

06親はいい加減くらいでちょうどいい

07親密な親子関係が幸せとは限らない

08子どもの問題は大人が勝手につくっている

09あえて言葉にしないほうが、うまくいくこともある

10親が社会を否定してはいけない

11本当の厳しさとは「信用」

12ゆとりのない経験こそが、ゆとりの心を育てる

131等賞は称えない

14なんでもかんでも叱らない

15叱るときは「子ども基準」で考える

16言葉や態度にしなければ、想いは伝わらない

17子どもを変える「タイムマシン・クエスチョン」

18差別する心は消せなくても、差別しない行動はできる

19嘘も大切なコミュニケーションスキル

20偽善者でいいんだ

21ゲームに夢中な時だって、生きる道を見つけるチャンス

22食べ物の好き嫌いがあったっていい

23汚い言葉遣いから、「言葉がどう伝わるか」を考えさせる

24友達が多いか少ないかは、たいした問題じゃない

25「習いたがる子」をつくらないことが、子育ての本質

26家庭学習の習慣は、子どもの時間を奪うだけ

27特性に縛られすぎてはいけない

28読み書きが苦手でも、活躍する道は必ずある

29学べる場所は、学校だけじゃない

30「読解力」より「伝える力」を磨こう

31受験に失敗したときこそ淡々と過ごす

32学校からの呼び出しは、子どもを「叱る」ためじゃない

33約9割の子どもがいじめ加害者

34いじめは客観的事実で解決に導く

35本来、子どもは未熟なもの

36遠慮なく学校、教育委員会と連絡を取ろう

37全員が当事者になることで教育が変わる

おわりに

 

以上のような内容で、

前半では主に子ども観や子育て観について語られ、

後半になるにつれて、

発達障害特性やいじめなどの具体的な問題について

語られていきます。 

 

それぞれの章自体は4ページほどでまとまっており、

すっと読むことできます。 

ブリーフセラピーや脳科学の考え方にも触れつつ、

それを実践したエピソードも紹介されるので、

現場や家庭で運用する際のイメージもつかみやすかったです。

 

感想

問題を問題と捉えることで大きくなる

08子どもの問題は大人が勝手につくっている

という章の中で、

小1プロブレムという問題が

言われるようになった経緯が紹介されています。

 

その経緯の中では、

文部科学省として予算をつけるのに必要という、

必要性があって名付けられた部分もあるそうでした。

 

それによって、

以前までは問題とまで捉えられていなかった行動が

問題視され、

親御さんや教師の不安を掻き立てるようになった

という指摘もあります。

 

気になる行動を気になる行動と思っても、

それに特別な名前がつくことで、

とても危険なもの、大変な事態と認識してしまう。

その状況は、

発達障害の名前が独り歩きしてしまっている

現在の状況とも繋がってくるものであるように感じます。

 

発達上、普通に起きうることでも、

周りが「問題だ」と指摘し続けることで、

本来は成長につれて変わるはずだったところが

変わりづらくなり、問題が悪化していく。

そんな悲劇を防ぐためにも、

子どもに関わる大人たちが、

発達についてしっかりと理解すること、

あるいは困った時に、

それが発達上普通のことなのかを

相談できる専門家に繋がれることが

非常に重要ではないかと思います。

(発達上普通のことか判断できる専門家が

 どの程度いるのかという問題もありますが…)

 

 

子ども本来の育つ力を信じること

工藤校長の考え方は

子どもが本来主体的なものであるという

考え方のようです。

 

これについては、

以前紹介した脳みそらくらくセラピー

考え方とも通じるところがあります。

www.karadamental-brog.com

 

療育に来られる親御さんなどを見ていると、

子どもがちゃんと出来ないから

正しくできるようにさせないと、

と焦ってしまっている方も少なくありません。

 

ただ、そこで焦ってそこに注目ばかりすると、

先程述べたように、

逆にそれを強める結果になりえますし、

失敗に気を取られると子どもは消極的になります。

その子が失敗も楽しんで

主体的に試行錯誤していけるような環境を作ること、

それが本来の発達支援であるはずです。

 

学校は発達支援の場所になり得るのか?

本書を読んでいても感じますが、

やはり学校という組織は

発達支援を行うような環境としては

機能していないような印象を受けます。

 

その背景としては、

学校自体がもともと、

軍隊的な考え方を取り入れている部分があるから

なのかもしれません。

 

ただ、それを工藤校長のように、

当たり前を変えていくことによって、

発達支援の場にしていくことも

出来る可能性があるのだと感じました。

 

ただ、それには、

「これまでのやり方が正しいはずだ」と

反発する人々も少なからずいるはずです。

 

まずは子どもたちと関わる大人の中に、

子どもの主体性を尊重する

という考え方が広がっていくこと、

それが第一歩なのかもしれません。

 

子どもがイキイキと自分らしく

発達していけるような学校が

この先も増えていってくれることを願いたいです。

 

ただ、現実にそういった環境が出来るまで、

いつまでも待ち続けるわけにはいきません。

個々の家庭での努力を続けるしかないところがあるのも 

残念ながら現実です。

この本はそういった家庭での努力のポイントを知る意味でも

有用な一冊となるはずです。

 

 

 

からだメンタルラボ講演会のお知らせ

2020年1月13日(月・祝)に

発達障害の自立と未来」という講演会を新大阪にて開催します。

花風社の代表取締役社長である浅見淳子氏、

同社の”発達障害でも働けますか?”の著者である座波淳

のお二人をお呼びしての講演会です。

 

お子さんが自立していくために

今からどんなことをしていけるのか

ということも知ることが出来る内容となっております。

 

 

事前申込制となっておりますので、

お申し込みは以下のリンクから

https://karadamental.com/free/20200113