【心身養生を考える からだメンタルラボblog】

身体と心へのアプローチを実践しているからだメンタルラボの活動情報や、鹿児島市での活動を地域支援活動を行うこだちの活動情報、身体と心のつながりについてのお話などを掲載しています。

「支援者のための身体と心のワークショップ」詳細解説です!

4月から募集を開始した「支援者のための身体と心のワークショップ」には、おかげさまで続々とお申込みをいただいております!

チラシの配布にも多くの皆さまにご協力をいただき、300部刷ったチラシが足りなくなりそうな気配となってきました。

告知にご協力くださっている皆さま、本当にありがとうございます!

今回の記事では、講座の具体的な内容についてのイメージや、チラシの配布中によく質問された護道や講師の廣木道心先生について改めてご紹介したいと思います。

廣木道心先生と護道について

3講座中2講座の講師を務めてくださる廣木道心先生のプロフィールは講座お知らせのページにも掲載しておりましたが、念の為こちらでもまず再掲です。

自閉症で知的障がいのある息子の父親として育児のなかで、様々な日本や海外の武術・武道・格闘技から学んだ技術を用いた独自のパニック時の対応を試行錯誤する。その後、介護士として福祉の現場に入り、自他共に傷つけない武道「護道」と「支援介助法」を開発。全国に護道・支援介助法を広める活動を続けるなかで、NHK国際放送「Face to Face」にて活動が世界160カ国で紹介され、研究レポートがイタリア・ボローニャ大学オンラインジャーナルに掲載されるなど海外でも反響を呼んでいる。また国内でもタレントで俳優の岡田准一氏が司会を務めるNHK の武術番組「明鏡止水~武のKAMIWAZA~」にてTV出演。著作、共著、雑誌掲載、TV出演など多数。

「護道」や「支援介助法」について、より詳しく知りたい方はこちらのリンクからどうぞ!
・護道ホームページ 
・支援介助法ホームページ 
・ブログ 

・youtube護道チャンネル

 

さらに、もう少し詳しい解説をしていきますと、もともと、お子さんの自閉症と知的障害のあったお子さん(おーちゃん)のパニック時の対応などについて悩み、様々な療育や支援の方法について学ばれるも、当時のパニック時への対応というものが力づくなものだったり、放っておく、見守るといった具体性に欠けるものばかりという状況があったそうです。

そうしたなかで、ご自身の武道の経験などを基に、お子さんと関係が崩れることなく、対応できる方法を試行錯誤を通して、開発されてこられた先生です。

お子さんのパニックが落ち着いてからも、周囲からその対応技術について教えてほしいと言われることが増えるなか、ご自身のお子さんとの経験だけで教えるのは、とヘルパーの資格を取り、様々な福祉の現場に入り、その技術をより高めてこられています。

 

そうして作り上げた技術体系を「護道」としてまとめ、その中で支援現場などで使うための技術は「支援介助法」として抽出もされました。

護道や支援介助法のなかでは、パニックになった方が周りや自分、関わる人達を傷つけないための対応として、武道の色々な技術などを用い、お互いに傷つかず、不快な体験をすることなく、対応をしていくための方法を学んでいきます。

 

私自身の経験でも、過去に児童相談所や児童デイサービスなどで子どもたちと接してきたなかに、パニックはない子でも遊びのつもりで攻撃的な振る舞いをしたり、武術系の習い事で習った技を嬉々としてぶつけてくるような子に出会ったこともありました。

当時はそうした子に対して、どこまで止めていいのか、どの程度の力加減で対応していいのかと悩むこともあり、そのなかで少しずつその子に接するときには少し不快な気持ちを抱えるようなこともありました。

今は私のなかでは、言葉での注意の仕方や護道の技術を用いてなどの対応の幅は広がっているように思いますが、そうした関わる側が我慢をしないといけないような状況になる場面というのは、廣木先生を始めとした、色々な現場で働く方からお話を伺うなかでは、よりひどい事態も少なからず現場で起きているように感じています。

 

そうして関わる側の我慢が積み重なることは、後々の不適切な対応などにも繋がっていく可能性があります。そのため、護道の技術を自身のケアをする方法を支援の仕事をされている方や、人を支えるような活動をされている方が知っておくことは、支援する側、される側、どちらにとっても必要なものだと感じています。それも今回の講座を開催している理由の一つです。

 

ちなみに余談ですが、廣木先生の娘さん(おーちゃんのお姉さん)が自身の幼少期の体験から、おーちゃんとの日々の暮らしを本にした「お~い!おーちゃん!」という本が出版されています。

紹介されるエピソードのなかには、きっと、対応する周囲の大人としては大変な状況もあっただろうなかで、子ども同士の視点からはこんなに自然に、素直に家族の出来事が捉えられているのだという、素敵な驚きを感じられる本になっており、非常におすすめの一冊です!

ぜひ、興味ある方はご一読されてみてください!

各講座についての解説

ここからはもう少しそれぞれの講座内容について解説です。

<6月8日(土)>

講座1「共感のための心と身体~共感力とトラウマ~」

からだメンタルラボでは現在、トラウマのケアのための身体からのアプローチの実践を行っています。そうしたなかで支える側の立場にある方のケアを行うこともあるのですが、色々な話を伺うなかで、人を支えることをしていこうと思ったきっかけとして、他者への興味や関心だけでなく、何かしらトラウマティックな体験などを自身がしたことも影響をしていることがあります。

そうした経験があること自体は、そうした経験がない人よりも相手のつらい状況や気持ちに共感しやすくなり、つらい状況にある人にとっての話しやすさになることもあります。一方で、そうしたつらさがケアされず残ったままであることで、共依存や支援者の燃え尽きといった問題にも繋がっていく可能性があり、人を支えるためにこそ、自身のケアをしていくことも大切になります。

また、先程、護道について解説をさせていただいていたなかでのエピソードのような支援者のなかに関わる相手へのネガティブな感情が積み重なっていくようなときに、少しでもそれを軽くする方法がある、ということを知ってもらうことも大切なサポートになると考えています。

そうした自身をケアし、ラクになる体験を積み重ねていくことは、他者との関わる時などにも、より広く柔軟に対応できるようになっていくことにもつながる可能性もあります。

そうした目的意識で、こちらの講座ではトラウマと心と身体のつながり、簡単なトラウマケアのための技法などをご紹介していく予定です。


講座2「コミュニケーションツールとしての護道~身体から他者とのバランスを取る技術~」

護道では自他護身のために様々な武道の技術などを用い、相手に働きかけていきます。ただ、そうした働きかけを行う際には、つい一方的に「相手を良くしてやろう」「変えてやろう」「コントロールしてやろう」といった考えで働きかけたくなってしまうことがあります。ただ、そうした思いというのは、言葉や雰囲気、接触した時の感触として、相手にはその思いが伝わり、抵抗が生まれたり、たとえ、その場で落ち着いたり、動いてもらえたりしたとしても、「あいつは嫌なことをしてくる奴だ」と思われ、その後の関係性が悪くなるようなこともあります。特に障害のある方や子どもたち、高齢者などには、そうした感覚に敏感な方も少なくありません。

こちらの講座では、自身の心身への気づき、身体の状態から相手を捉えるポイント、相手と良好な関係を築いていくための意識や働きかけの工夫といった、護道の関わりの技術を色々なワークを通して体験しながら学んでいく講座となっています。頭だけでなく身体を通した体験で関わりのポイントを理解しながら、日々の関わりの質を高めていきましょう!

クロストーク

こちらでは参加者からの質問も受けながら、講座を通して感じたことや考えたことなどを講師ともども共有し、学んだことを日々の生活に活かしていくためにできそうなことを考える時間です。


<6月9日(日)>

講座3「護道特別稽古会」

普段は大阪道場で行われている護道の稽古として、体を整えていく基礎となる「錬成法」、イメージなどを使いながら、他者と繋がるための身体の使い方を学ぶための「検証法」などの稽古法を体験しながら、自分も相手も傷つけないための身体やイメージの使い方などを体験しつつ学んでいける、年に一度の貴重な機会です。稽古を体験することで、前日の講座で学ぶ関わりのポイントをより深く理解することにも繋がっていきます。

筋力に頼らない身体の操作を学ぶため、激しい動きはありませんので、体力や筋力に自信がないという方でも、安心してご参加ください。

また、参加いただいた方に支援の現場でのパニック対応などへの具体的な対応を知りたいといった声があれば、そうした対応についても一緒に検討し、考えていく予定となっています。

 

今回の記事をご覧になられて、護道やトラウマケアに関心を持たれた方は、ぜひお気軽にお申込みをいただけますと幸いです。

護道の技術を学び、自分自身や周囲の人々を守る新たな方法を手に入れませんか?

お申し込みはこちらから

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時間や料金などの詳細はこちらの記事で紹介しております!

www.karadamental-brog.com

 

 

廣木道心先生ご著書・ご共著など

「発達障害のある子どもへの介助法-子どもに痛みを与えないパニック対処スキル-」

「自傷・他害・パニックは防げますか?」

「発達障害・脱支援道 笑顔と自由に満ちた未来のためにできること」

「護道の完成-自他を護る実戦武道」

 

DVD「廣木道心先生の支援介助法~お互いに傷つけない介助のワザ~」

www.karadamental-brog.com