【心身養生を考える からだメンタルラボblog】

身体と心へのアプローチを実践しているからだメンタルラボの活動情報や、鹿児島市での活動を地域支援活動を行うこだちの活動情報、身体と心のつながりについてのお話などを掲載しています。

「医者が教えてくれない育ちのアセスメント」を視聴して

本日、2020年9月13日に

zoomで開催された

花風社さん主催の栗本啓司氏と大久保悠氏の対談

「医者が教えてくれない育ちのアセスメント」を視聴しました。

 

栗本啓司氏は

コンディショニング講座@大阪の講師を務めてくださっていることから、

こちらを読まれている方は既にご存知かと思います。

 

大久保悠氏は、

北海道でてらっこ塾を運営され、

現在は全国各地に出張して

発達障害のお子さんが発達していくために

アセスメントをするお手伝いをされています。

terakkojyuku.com

 

発達障害を治すということについて、

多くの知見、体験を持つお二人が、

発達障害の人々をアセスメントするということについて語るという

貴重な内容でした。

 

 

内容については、

本来、参加費を払った人が知るべきものと思いますので、

印象に残った部分と、

そこからの連想をつらつらと。

 

 

今回のお話を聴かれた方は、

医療や療育ではなぜ発達障害が良くならないのか?

という点について、

非常によくわかったと思います。

 

発達障害において、

問題行動と言われる種々の症状は、

その背景に身体の未発達を育てているという部分があります。

 

ただ、医療は異常を見つけ、それをなくす。

教育は不適切な行動を修正し、望ましい行動を身に着けさせる。

といった方向性があるため、

発達障害のある子たちが行う発達のための行動は、

一般的な枠から外れているという意味で、

矯正するべき行動になってしまうわけです。

 

それが親御さんにも伝えられると、

家庭でも発達の機会は奪われ、

発達したくても出来ない、

しんどい状態がずっと続いていく。

 

お二人の視点はそうではなく、

その個人の個体としての歴史、環境、未来、

そういった部分を見ながら、

オーダーメイドに必要な刺激を増やしたり、広げたり、

逆に減らしたりといった作業をしていわけです。

 

これはその子をただ年齢としてどうか、

他の同年齢の子と比べてどうかではなく、

その子をその子として観察した上で、

発達の流れからどうズレているのかを観ているということ。

個を個として見るというのは、

本来こういうことなのだと思います。

 

今回のお話は発達障害のアセスメントのお話ではありましたが、

心理臨床の全ての場面で大事な点でもあるだろうと、

自分自身の臨床を振り返る気持ちになりました。

 

 

 

また、

一般的な枠から外れている行動=問題行動、障害特性

というパターン化した捉え方による問題というのは、

心理臨床の現場ではそこら中で起きている問題ではという気がします。

 

 

その人個人として関わりをしていくのではなく、

不登校、いじめ、対人恐怖、問題行動、

といったようにパターン化して見ることで、

対応もパターン化され、

結局、その人を見ていない状態になるわけです。

 

これは知識だけに捕われているとそうなりやすいでしょうし、

真面目にやっているつもりの人であっても、

根本的に得ている知識の方向性がズレていたら、

そうならざるを得ないこともあるのだと思います。

 

例えば、未だに発達障害について相談を受けているという

カウンセリングルームなどの発達障害の説明を見ると、

SSTが必要だの

得意なことを伸ばすことが必要だの

視覚支援が必要だの

といった未だに心理学の世界では

それが王道と言われがちなものしか

載っていないところをよく見かけます。

 

これは真面目に心理学を学問としてやっている人に限って、

それ以外の領域のことを見ないので、

大して良くならなくても普通というのが

無意識に刷り込まれていることもあるかもしれませんし、

自分が時間とお金をかけてきたものに対して、

それから離れるのが難しくなるという

人間心理的に仕方ない面もあるのかもしれません。

 

ただ、今日のお話を伺ってもそうですし、

私の現場での体験から見ていてもそうですが、

やはり発達障害へのアプローチを考える上では、

心理学が役に立つのはごくごく限られた範囲です。

 

まずは身体の発達を知っていること、

そのヌケを育てていく視点を持つこと。

そういった観点がまずは必要であり、

そこで未発達の部分が育てば

心理学的なアプローチは

発達障害については不要であることも多い。

 

これは心理士としてやや切ない面もなくはないですが、

現実だと思います。

 

お子さんの発達が気になるとなったときには、

まずは家庭で各々の資質に合う形で

身体アプローチを取り入れてみる。

そんな方法が第一選択になっていってくれたらなと思います。

 

最後に主催の花風社浅見さん、zoomのサポートのボリンゴさん、

講師の栗本さん、大久保さん、貴重なお話の機会をありがとうございました!

 

もし今からでも内容を観たいと思われた方は、

後日視聴が2週間あるとのことですので、

急いでお申込みすれば間に合うかもです!

ご興味ある方はぜひ!

blog.goo.ne.jp

 

 

身体アプローチについて

もっと知りたいという方は、

以下の本が参考になります。