【心身養生を考える からだメンタルラボblog】

身体と心へのアプローチを実践しているからだメンタルラボの活動情報や、鹿児島市での活動を地域支援活動を行うこだちの活動情報、身体と心のつながりについてのお話などを掲載しています。

講演会「脱支援のススメ~利用者と支援者が見た支援」終了報告

8月29日(土)に

新大阪にて藤家寛子さんと廣木道心さんによる講演会

「脱支援のススメ~利用者と支援者が見た支援~」

が開催されました!

 

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こちらのブログはその終了報告となります。

 目次

 

講演会について 

今の支援は利用者の役に立つ部分が一部あっても、

現実としてはそうでなく、

利用者に害を与えている部分や、

支援者を食わせるためのものになっていたり、

といった側面があります。

 

その支援の現実を

支援者として様々な現場を見てきた廣木道心さん、

利用者として支援を受け、今は支援を卒業して働く藤家寛子さん、

お二人が見聞きしてきた現実を知ることで、

今、当たり前に利用していたり、

働いていたりする支援について、

改めて見つめ直す機会となればと、

この講演の開催が決まりました。

 

打ち合わせをする度に、

お二人の熱い想いを感じ、

是非多くの方に届くべき内容だという思いを強くしました。

 

コロナの影響も考えて、

現地参加とオンライン参加を組み合わせた開催となり、

主催としてはドキドキするところもありましたが、

結果として総勢80名弱のご参加をいただき、

大盛況の会となりました。

ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!

 

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9月1日現在、

9月9日(水)までの限定後日視聴も行っております。

もし後日視聴でも見てみたいという方がおられましたら、

こちらから9月2日(水)まで

後日視聴の追加申し込みも受け付けております。

forms.gle

 

藤家さんのお話から

藤家さんのお話は、

ご自身の育ってこられた体験から始まり、

支援を利用された体験を

改めて今の社会人としての経験を積んだ立場から見直す。

藤家さんだからこそ出来るお話でした。

 

利用者への目線、

支援者の発言と行動の矛盾など

支援者としての振る舞いについて、

私自身のこれまでも振り返りながら、

色々なことを思い出しました。

 

特に、支援から抜ける際のお話は、

児童デイにいた時の色々なスタッフの言動にも重なり、

強くうなずけるものでした。

そして、それは以前、

神田橋先生の本でお読みした

脅迫の文型」なのだろうと思い至りました。

 

結局、支援者自身がやっていることに効果を感じていない、

利用者が良くなっていっていない状態であれば、

支援者は利用者を無意識であっても、

「脅迫の文型」で捕まえておくしかなくなるのでしょう。

 

また、効果が出て改善していたとしても、

支援者自身が愛着障害を抱えていたりすることで、

手放すことが怖くなり、

またそこで「脅迫の文型」が出てくる。

 

支援を利用する人たちには、

そういった支援者側の背景や思考を知り、

それに振り回されないということが

今後、必要となってくるはずです。

 

そして、支援者からの脅迫に怯えないためには、

藤家さんのようにそれを乗り越えた体験を知り、

希望を持つということが力に支えになるのではないでしょうか。

 

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藤家さんの講演会報告ブログはこちらから

blog.goo.ne.jp

 

 

廣木さんのお話から

廣木さんのお話は、

知的障害と自閉症を持ちながらも、

支援を利用せず元気に社会で生きている

ご子息のおーちゃんのお話から始まり、

おーちゃんが良くなった理由について探求するために

廣木さん自身が色々な福祉現場に入っていき、

その中で見てきた様々な現実についてお話くださいました。

 

私もここまで多くの現場を経験されていたとは

把握しておらず、レジュメを見て驚きました。

 

福祉現場での管理者としても働かれていた

廣木さんだからこそ、

綺麗事だけでない福祉の経済的な構造も含めた、

真実を語ってくださりました。

 

そういった背景があるということを知っておくことで、

福祉現場のスタッフの発言の中に、

全てではないにしても、

本人のためだけでなく、

経営上の判断で発言していることがある

ということが理解しやすくなります。

 

私自身の過去のことを思い返して考えると、

福祉現場で働く人というのは、

経営やお金に関わる部分についての知識はあまりなく、

人の役に立ちたいという善意で働いている人も多いです。

 

ただ、そういった人は

上からの指示に素直に従って動いている面もあり、

その指示が出ている背景には、

上の経営的な判断が働いている場合もあるわけです。

 

そうなると現場の人間で、

素直に上のいうことに従うのが正しいと考えている支援者は、

善意(のつもり)で行っている発言でも、

結果的に経営のために利用者を利用している

という状態を生んでしまうこともあるのだと理解出来ました。

 

「地獄への道は善意で敷き詰められている」

といったような言葉がありましたが、

それが現実になっているのが福祉現場なのかもしれません…

 

廣木さんのブログでも講演会の終了報告が書かれていますので、

ぜひこちらも御覧ください。

ameblo.jp

 

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対談から

対談パートでは、

多くの参加者から質問が寄せられており、

活発な質疑応答が行われることとなりました。

 

細かな内容は個人情報などもあるので省略しますが、

皆さんこの講演を通して、

多くの刺激を受けていただいたのだろうと感じることが出来ました。

 

特に支援との関わりの中で、

違和感を持っていた部分もあったけれど、

それを表現する場や

それを一緒に考える機会がなかった方は

多かったのではないかと感じました。

 

リアルのつながりの中では、

なかなかそういった考えの味方が得づらい方も、

「治そう!発達障害どっどこむ」では、

発達障害の明るい未来に向けて、

頑張っている人たちがたくさんいますので、

是非一度、こちらもご覧になってみてください。

naosouhattatushogai.com

 

もちろん、

支援の利用をなくすのが正しいとは限りませんが、

支援に繋がるのがゴールではないし、

お二人が言われていたように、

「脱支援するのがゴールでもない」はずです。

 

あくまでも、

支援を必要な範囲では利用し、

自身が、そしてお子さんが、

発達して出来ることが増え、

幸せに生きていけるように不要なものは外していく。

 

そこを見失わずに、

試行錯誤を続けていかれる方が

一人でも増えていってくれたら幸いです。 

参加者感想から

まだ感想は募集中の段階なので、

現時点で頂いている感想を一部ご紹介。

 

自分の生き方を選び、生き生き生きることは幸せだと思いますが、自由に生きることが恐い、自由に生きることに耐えられない人が一定数いて、そうした人たちにとっては、支援の中だけで生きることが安定なのでしょうね。
早期発見早期療育の先が 自立ではなく福祉にどっぷり浸かることだと知った後も、一生福祉にすがる生き方を選ぶ人は 無くならないでしょう。
外の世界を恐れ、狭い世界で慣れ親しんだ日常を繰り返す事に安心を見いだす人にとっては、自由や自立は自分の存在を脅やかすものでしか無いからです。
障害者である事、障害者の親である事は、生きる上で多少不都合かも知れませんが、その上で自由に幸せに生きることを選ぶ事はできます。
自分や我が子の存在を真に喜べない人たちは支援者と共依存するしか生きる術がないのでしょうし、そうした人たちがいる限り、福祉の歪みは無くならないと思いました

 

廣木さんのお子さんの小学校や中学校の地域でのお話を聞いて、やはり近くの学校に行かせてあげたいなという思いが強くなりました!
就学に向けて、地域の小学校の特別支援クラスの情報集めと見学に行ってきます!

 

壮絶な幼児期、児童期、青年期を送られた藤家さんのお話は、今同様の状態でいる子どもたちの希望の光となります。保護者に身体を整えていくことを本気で勧めていこうと思いました。あんなにお元気になられて、生きていたいという強い気持ちが辛さを支えたのだとわかるお話でした。

廣木さんのお話も、福祉の現場のずさんさがよく分かりました。結局、ビジネスとなるとそうならざるを得ないのだろうとも思います。ご自分のお子さんをきっかけに福祉の勉強をされたり、現場に行かれたりすごい方だなと思います。貴重なお話がうかかがえて勉強になりました。

花風社の本に出てくる養護教諭がいつもひどい人ばかりなので、あーどうしてまた😵と残念になります。
無知は恐ろしい…でも、自分だってそうなるのも紙一重だとも思います。
勉強して、少しでも自立の手助けをしたいと思います。
藤家さんから感覚過敏の子の「自分のペースで」というのが落とし穴だという話も
こちらもHSCなので無理はさせられないという保護者からの申し出と
行かなければいけない学校という概念の狭間でどこが最善の落としどころなのか、模索中です。

もう一度送っていただいた先日の動画を復習したいと思います。

 

今日の藤家さん、廣木さん今回、お話を聞きながら「支援が役に立つ場合ってどういう場面だろう」と思いを巡らせましたが、私の想像力欠乏のためか、一つも思いつきませんでした。
まずは特別支援教育現場は「自立を目指す」が絵に描いた餅状態であることを自覚し、テコ入れして自立を目指して欲しい。
そして、自立できそうであれば、特別支援教育の枠を外して学ぶ自由度を上げるなど子どもの将来の選択肢を広げる努力をして欲しいと思いました。
更に発達障害や自閉症のお子さんや成人の方々を支援する場合、支援期間に期限を設けて結果を出す努力を支援者にはしていただきたいと思いました。
グループホーム入居がゴールではなく、個々人が自分の力を自分で発揮し、日々暮らせる力をつけ、自由度のある日々が送れるように、支援者が言う「生涯にわたる支援が大事」の洗脳に多くの方々が気がつくと良いですね。のお話は共感することばかりでスッキリしました。「就職させない就労支援」ではなく、企業に就職したい人の想いを実現する就労支援者として明日からもがんばっていこうと改めて思いました。
貴重な勉強の機会をいただけて感謝しています。

就労支援をやっている「支援者」ですが、障害者福祉に関わる支援者独特の世界がずっと苦手で、花風社の本と浅見さんのブログ等のメッセージにはずいぶんと助けていただいてきました。

今日の藤家さん、廣木さんのお話は共感することばかりでスッキリしました。「就職させない就労支援」ではなく、企業に就職したい人の想いを実現する就労支援者として明日からもがんばっていこうと改めて思いました。
貴重な勉強の機会をいただけて感謝しています。

 

 

こちら以外にも、

参加いただいた方々がブログなどでも感想を書いてくださっています。

blog.goo.ne.jp

 

naosouhattatushogai.com

 

naosouhattatushogai.com

 

 

最後になりますが、

お話いただいた藤家さん、廣木さん、

そして、ご参加いただいた皆様、

告知にご協力いただいた皆様、

本当にありがとうございました。

 

 

少しずつでも

支援を利用する人たちの未来が

明るいものとなっていきますように。