【心身養生を考える からだメンタルラボblog】

身体と心へのアプローチを実践しているからだメンタルラボの活動情報や、鹿児島市での活動を地域支援活動を行うこだちの活動情報、身体と心のつながりについてのお話などを掲載しています。

自他を護るための他者とのバランス

6月に開催する「支援者のための身体と心のワークショップ」では私がトラウマケアについてのお話をさせていただき、廣木道心先生には護道の稽古と”身体を通して他者とバランスを取る”というテーマでお話をしていただきます。

 

講座日程や料金などについてはこちらの記事をご参照ください。

www.karadamental-brog.com

 

護道において、なぜ「他者とバランスを取る」ことが重視されるのかについても、過去の記事の内容と重なるところもありますが、こちらでも改めてご紹介をしておきたいと思います。

講師を務めてくださる一般社団法人護道の廣木道心先生は、私が大阪にいた頃から学ばせていただいている先生です。

 

廣木先生が創始された護道は、介護や医療、教育や福祉など、さまざまな現場で役立つ技術を学ぶことができる武道です。

 

武道や古武術といったものが、介護などの現場で役に立つというお話を聞いたことがある方もおられると思います。

そのなかでも、この護道という武道は「支援の場で使うために生み出された」という稀有な特徴を持っています。

 

以前もご紹介していた通り、廣木先生はもともと「強くなりたい」という思いから武道や格闘技を学び始めましたが、息子さんであるおーちゃんが知的障害と自閉症を持っていたことで、その子育てのなかで自身の武道経験を活かし、パニック対応の方法を模索し、護道を創り上げました。

 

おーちゃんが落ち着いてパニック対応が必要なくなると、周囲からその技術を教えてほしいと頼まれるようになり、廣木先生は介護士の資格を取得して様々な現場で経験を積みました。そして現在は、その技術を広めるために活動されています。

 

そうした愛するお子さんに対して使える技術をという目的を持ち、生み出された武道であるため、他の武道にはない「先制防御」という理念があり、そのなかで自分も他人も傷つけないために大切なポイントの一つが「他者とバランスを取ること」となります。

 

そうした他者とバランスを取ることができる意識や姿勢、技術といったものを基本の一つとして、「不快な体験をさせずに関わる」ための技術の探求が続けられています。

 

こうした護道の考え方や技術を支援の現場で働く方々に知ってもらえることで、支援現場もより良くなっていく可能性があるとともに、「支援者自身が健康に長く働いていく」助けにもなるという思いがあり、私が鹿児島に移住した年から、毎年廣木先生をお招きしての講座を年に一回開催させていただいています。

 

そのように考える理由は私自身の護道の稽古での体験にあります。

護道の稽古では実際に相手を止める方法もありますが、それだけでなく、相手にどういった意識で関わっていくのかといった視点やイメージの持ち方など、他者と関わるための姿勢といった部分についても学んでいきます。

 

武道を学ぶということは「相手を倒す、勝つ」といった争うような考えや、「強くなるために力を強くする」といった考えに繋がりそうなイメージもあるかもしれません。

 

私自身、稽古を始めた当初などは相手に関わるなかで力んだり、相手を動かそう、コントロールしようという思いが自然と出てくるところもありました。

 

廣木先生もご著書のなかでは、もともと武道を学び始めた当初などは、そうした考えを持っていた時期もあったことにも触れられています。

ただ、護道が出来上がっていくなかで、そうした考え方が次のように変わったそうです。

今の私が目指すべき強さは、お互いが傷つかないように調和してバランスを取る「自他護身のための強さ」だと感じています。

護道の完成 自他を護る実践武道(BABジャパン)

こうした新たな視点での強さを身につけ、周囲の方と調和してバランスを取っていくことができるようになっていくことは、学ぶ当人の身体の使い方だけでなく、世界との向き合い方や生き方の変化にも繋がっていくと感じています。

 

そうした人が増えていくことで起こる変化は支援の現場にも、地域や社会にとっても良い変化をもたらしてくれるのではないかと想像しています。

 

私自身もまだまだ日々精進中ですが、周囲と調和してバランスを取る自他護身について興味を持っていただけた方は、ぜひ6月8日(土)、9日(日)の講座にご参加されてみてください。

稽古では汗だくになって息を切らすようなハードさは全くありませんので、お気軽にご参加いただけます。

 

お申し込みはこちらからお願いいたします。

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講座日程や参加料金などより詳しくお知りになりたいという方はこちらのページをご覧ください。

www.karadamental-brog.com

 

からだメンタルラボでのその他の開催講座・配信講座情報

オンライン配信中

2022年5月22日(日)に鹿児島にて廣木道心先生をお招きして開催した支援介助法セミナーの後日配信を行っております。

※「支援者のための身体と心のワークショップ」参加者は特典としてもご視聴いただけます

 

ご興味のある方はこちらのページをご覧ください。

www.karadamental-brog.com

 

こだちでの開催講座情報

「自分を感じてケアするからだとこころの講座」というテーマで、こだちのスタッフがそれぞれの専門性を活かして、からだとこころのセルフケアについて紹介する連続講座を2024年5月から月に一回のペースで開催しています。

詳しくはこちらのリンクから。

www.karadamental-brog.com

 

廣木道心先生ご著書・ご共著など

「発達障害のある子どもへの介助法-子どもに痛みを与えないパニック対処スキル-」

「自傷・他害・パニックは防げますか?」

「発達障害・脱支援道 笑顔と自由に満ちた未来のためにできること」

「護道の完成-自他を護る実戦武道」

 

DVD「廣木道心先生の支援介助法~お互いに傷つけない介助のワザ~」

www.karadamental-brog.com