9月17日(日)、18日(月)に大阪にて開催する”みんなのからだ育て講座「思春期と感覚過敏」”おかげさまで18日講座はほぼ定員となりました。
今回の記事では引き続き受付中の17日講座のテーマについて、少し解説をしていきます。
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思春期という時期は身体的にも心理的にも大きな変化がある時期です。
尾崎豊の盗んだバイクで走り出す時期も、いわゆる思春期に重なるタイミングですね。
心理学的にはまず、思春期というのは、子供から成人への過渡期であり、通常10代から20代前半にかけての期間を指します。身体的、心理的な変化が急激に進行し、アイデンティティの形成や社会的関係の再編などが起こる時期と言われます。
今回の講座は更にこの思春期というのを身体発達の側面からより具体的に捉え、第二次性徴を迎えて以降と考えます。つまり、年齢が10代になってはいても、身体的には思春期といえるような状態に入っていない場合もあると言え、この点も大切な視点の一つとなります。
更に思春期は自己認識やアイデンティティの形成が進む時期でもあります。自我が育つことによって、周りとの差や違い、性についてなども自覚するようになり、それによって自己評価が低下したり、自分自身を受け入れられずに悩むようなこともあります。
また、より広い視点から見ていくと、10代~20代前半という時期は家庭での立場も少しずつ変化し、学業を通して将来のことを考えたり、対人関係の幅も広がり悩むことも増え、様々なストレス要因が重なる時期で、ストレスも多くなりやすい時期といえます。
こうしたなかで、自分らしさを確立するために様々な努力やもがきといった行動が見られ、それが周囲からは問題行動と見られる場合もあります。思春期の自身の振る舞いを思い出して、気恥ずかしい気持ちになるような人も少なくないかと思いますが、そうした行動も発達上は必要なステップだったりするわけです。
さらに神経発達という視点から見ていくと、この時期は神経発達としても重要な段階で、脳の神経結合が再構築される時期とも言われます。
神経伝達物質のバランスが変化することがあり、これにより精神疾患の発症リスクも増加します。ホルモンの変動や脳の再構築が影響を与えることで、うつ病、不安障害、摂食障害などの精神疾患が初めて発症する時期とも言われ、精神疾患によってはこの年代以降でないと診断がつかないものもあったりします。
このように思春期という時期は、こういった本人の中での物理的、心理的な変化とともに、環境の変化も大きくなりやすいため、色々な問題や難しさが出やすいわけです。
今回の講座ではこうした思春期の時期を理解する新たな視点として、「感覚の質の変化」という観点を学びます。
栗本先生によれば、第二次性徴を迎える以前と、迎えて以降の「感覚過敏」というものは、質が変わっており、その対応についても新たな姿勢を持つ必要があると指摘されています。
今回の講座で体験しながら学んでいく、そうした過敏性の質の変化への対応という視点は、思春期という時期にある子どもたちや若者を理解し、支えていくための一助となっていくはずです。
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