2019年6月16日(日)に
『自閉っ子の心身をラクにしよう』などの著者である、
からだ指導室あんじんの栗本啓司先生を講師とした
コンディショニング講座@大阪を開催いたしました!
今回も発達障害のある人々の
発達のために出来ることを学びたいという、
多くの親子や支援者の方々にご参加いただきました。
この記事では、講座の様子や
参加者からの感想の一部、
個人的に感じた感想などをお伝えします。
目次
今回のテーマ
午前『家庭でもできる!だれでも無理なく取りくめる発達援助法~身体を整えて神経を発達させよう~』
午後『夏に向けて、みんなでできるコンディショニング』という2つのテーマ。
そして、最後に支援者向けの特別講座として、
『観る・触れる・働きかける』
という盛りだくさんな内容となりました。
講座の様子・内容
午前は神経の発達を促していく方法を知るために、
まず発達とは何なのか?ということから話が始まり、
その上で、実際に体験を交えつつ、
身体や感覚を育てるための工夫、
子どもに合わせた栄養摂取の考え方などについて説明しながら、
いかにして脳機能が発達していく余裕のある状態を作っていけるか、
ということを学んでいきました。
午後は湿気の多い梅雨に起きてくる身体の変化について、
自分や子どもの身体を確認しながら、
捻りの動きや腎臓への働きかけなど、
その変化をケアしていく方法について学んでいきました。
専門家向け講座では、
集中するとはどういうことか?
如何に丁寧に相手に触れるかということについて、
丁寧に体験しながら学ぶ時間となりました。
そして、講座後の打ち上げには
急遽、廣木道心先生も来てくださり、
身体の使い方についてのエクストラ講座的な盛り上がりとなりました笑
参加者の感想
(個人の特定を防ぐため、一部改変しています)
初参加の方から
- 「参加して緩むことが出来ました」
- 「子どもの状況や反応をしっかり観察出来ていないことに気づいた」
- 「その子のエネルギーに合わせる、寄り添うことが大事」
- 「気になったことがどういう体の状況からきているのか何となく察することができるようになってきた」
- 「子どもたちが今何をしたがっているのかを考えられるようになってきた」
といったような感想や
継続して来られている方から
- 「習ったくすぐりをやっているとおむつ外れが無事出来ました」
- 「自分が不調の時に子どもが『金魚体操やってあげるね』と言ってやってくれました」
- 「初めて参加した頃に比べて、子どもたちのいろいろなことが気にならないくらいに発達してきてくれたのかなと思います」
- 「金魚体操や足裏・足首にそっと触れるワークなどを紹介した知人の息子さんの寝起きが劇的に良くなりました!」
といった嬉しい報告も聞かれました。
講座を通して感じたこと
身辺自立の重要性
今回は、講座の中でも身辺自立の重要性が
非常に強く説かれていました。
たしかに食事・睡眠・排泄が安定していない状態では、
日常生活を送っていても身体的にも精神的にも落ち着かなくなります。
そして、脳はゆとりがなくなってしまう。
例えば何をしてもいても
「トイレに行きたくなるかも」と不安がつきまとっていれば、
消極的になっていったり、
それがストレスでイライラしやすくなることもあるでしょう。
偏食が強く、特定の物しか食べられない状態を脱せないと、
活動をしようとしてもエネルギー不足で身体が動かなかったり、
神経伝達物質がうまく作られず、
情緒が落ち着かないこともあるでしょう。
睡眠が不安定であれば、
毎日が徹夜明けのようなイライラ状態で生活して、
癇癪が増えるようなこともあるはずです。
そういった状態を脱していく為には、
- その子の心身から生じる欲求をしっかりと観察する意識を持つこと。
- そして、そこに合わせながら一緒にやりとりを積み重ねること。
- 必要に応じて身体に働きかけていくこと。
そういう日々の積み重ねが必要なのだと感じました。
子どもが変化するきっかけは親御さんの関わりの変化でもある
継続して参加してくださっている方々からは、
色々な嬉しい報告がありましたが、
そういった変化が生じていく中では、
目の前の子どもに合わせるという感覚が身につき、
そこで試行錯誤出来るようになっていくことも
非常に重要なのではないかと感じました。
そういった変化があると、
親御さん自身の日常生活の中での柔軟性や
ストレスの感じやすさなどにも
変化が出ているのではないかと密かに想像している私がいます。
もし、参加して実践された方で何か気づかれた方があれば、
また教えてください。
発達していくためには試行錯誤が大切
講座の中で教わっていることの
1/3あるいは半分くらいは
子育てとしてはある種普通のことだという気もします。
まぁ実際の子育て経験はまだありませんが笑
その普通の子育てが崩れてしまっている背景には、
医療や福祉が多くの家庭の子育てに
深く入り込むようになった影響が
大きいのではないかと感じます。
それにより、色々な情報が氾濫してくることで、
昔は感覚に頼って試行錯誤しながら、
その子に合うやり方を工夫していた部分を、
情報だけに照らし合わせて正しい形でやるようになってしまう。
そうなると、試行錯誤のやりとりを通して、
親子の絆が育まれていたところも出来上がりづらくなり、
元々少し特性のある程度だった子が、
関係性が出来ないことで更に様々な問題行動を呈すようになる。
そんな問題も現代にはあるのではと連想しました。
支援する側の課題として
最後に支援者自身が発達障害に関わるうえで、
定型発達をどこまで理解しているかという問題は
非常に重要だと感じました。
そこがわからず関わると、
発達のために本人がしている行動すら問題行動とみなす。
それにより親御さんは更に不安になり、
支援者にすがり、主体性がなくなっていき、
関係性が築けなくなっていく。
そういった悪循環はいろいろな現場で起きているのではないでしょうか。
また、あくまで関わる主体は親御さんであり、
親御さんがきちんと子どもと関わって、
発達を促していけるようサポートをする。
これは当然のことですが、日々意識し直すべきことだと思います。
ここがブレている人は正直、支援職ではわりとよくいますので
親御さんはご注意を(超小声)
今回の講座を機に、
私自身も、もっとより良い発達支援をしていけるように、
まずは
- 日々、きちんと観察する。
- 相手に合わせて働きかける。
- 丁寧に触れる。
を実践していこうと思います。
今後の講座予定
次回の栗本啓司先生をお呼びしての
コンディショニング講座@大阪は11月17日(日)に開催の予定です。
それまでに廣木道心先生をお呼びしての護道講座も開催出来たらと思っていますが、
詳しくはまた決まり次第お伝えしますので、続報をお待ち下さい。
この記事で初めてコンディショニングのことを知り、
詳しくお知りになりたいという方は、
まず栗本先生の著書『自閉っ子の心身をラクにしよう~』をお読みになることがオススメです。