【心身養生を考える からだメンタルラボblog】

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鉄不足がうつ・パニック・発達障害に関係!?お家で鉄を補う3つの工夫

近年、メンタル不調や発達障害には

栄養失調も関係しているということが明らかとなってきています。

 

しかも、その栄養失調というのは

いわゆる国が勧める健康的な食生活をしていても

陥ってしまう可能性があると言われます

 

今回は私がメンタル不調と栄養について知るきっかけとなった、

鉄とメンタル不調の問題と、

日常で出来る鉄摂取を増やす工夫を紹介します。

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 目次

 

鉄とメンタル不調の関係とは 

うつ・パニックは鉄不足が原因だった 

私がこの栄養の問題を知ったきっかけは、

広島にあるふじかわ心療内科クリニックの院長である

藤川徳美先生の著書、“うつ・パニックは鉄不足が原因だった”でした。

 

この書籍の中で、藤川医師は

“うつ・パニック障害の主な原因は「ストレス」であるとされていますが、実際のところ、心療内科や精神科を受診される女性患者の多くは、潜在的な鉄不足が原因で、うつ・パニック障害の症状が出ているケースが大半です”

 と驚くべき指摘をしており、

栄養指導を行うことによって、

早ければ数週間から数ヶ月で改善した様々な事例を紹介しています

 

これまで、心理的な問題というのは、

過去にあったショックな体験や、その人の生育歴、

あるいは現在の人間関係などが影響して生じるものという認識で、

それらの問題を見直すことで対処されることが多いものでした。

 

一応、「生理的な部分での問題がないかは気をつけるべき」とは

言われていましたが、私の印象では心理の世界でも、

その生理的な部分の具体的な中身はあまり検討されていなかった印象があります。

 

この書籍で紹介されている例などを見ていくと、

生理的な部分の一要素として、

栄養、あるいは日々の食事というものが、

いかに心理的な問題とされてきたものに関わっているのか

を理解する良いきっかけになると思います。

 

鉄不足では何が起きるの? 

同書の中で、鉄不足の人に生じる症状としては

  • イライラしやすい。集中力低下。神経過敏。些細なことが気になる。
  • 立ちくらみ、めまい、耳鳴り。偏頭痛。
  • 節々の痛み(関節、筋肉)。腰痛
  • 喉の違和感(喉が詰まる)。
  • 冷え性。
  • 朝なかなか起きられない。疲れ。
  • 出血(アザ)。コラーゲン劣化(肌、髪、爪、シミ)。ニキビ、肌荒れ。
  • 不妊。
  • レストレスレッグス症候群(RLS=ムズムズ脚症候群)。
  • やたらと氷を食べる。など 

と、様々なものが挙げられています。

 

普段感じる不調として、

思い当たるものがある方も少なくないのではないでしょうか?

 

ただ、鉄不足になる人はタンパク質も不足していることが多いため、

ここにリストアップされているものは、

鉄不足だけでなく、

タンパク質を始めとした他の栄養素の不足が関連しているものも

混じっている可能性もあるとは思います。

 

鉄の役割

それでは鉄自体は体内でどのような役割を持っているのでしょう?

鉄が体内で行う役割は血を作る(赤血球の合成)以外にも、

  1. 神経伝達物質作成の補因子となる
  2. 活性酸素を除去する酵素の働きに関わる
  3. ミトコンドリアでエネルギーを生み出すのに関わる

といったものがあります。

 

1については、

うつ病や発達障害などでは、

神経伝達物質が足りないことが問題となると言われることもあり、

精神科の薬には神経伝達物質を増やすためのものもあります。

 

2については、

こちらの研究からも明らかなように、

身体疾患があると、こころの病を発症しやすいということは既に指摘されています。

活性酸素はその様々な身体の慢性疾患の原因になると言われています。

 

3については、

エネルギーが足りないと生じる現象として、

「疲れやすい」があることは容易に想像出来ますね。

これもメンタル不調の傾向がある人からしばしば訴えのある症状の一つです。

 

これらの点から考えても、

メンタル不調に鉄不足が関係しそうだということは

納得できるのではないでしょうか?

 

鉄不足かどうかはどう判断する?

鉄不足かどうかの指標としては、

血液検査でのフェリチン値という数値が

100以上ないと鉄不足だそうです。

が、藤川先生の医院で調べてこられた中では、

15歳~50歳の日本人女性は99%が鉄不足だったそうです。

 

しかも、出産において、フェリチンは50消費され

出産をする、更に第二子も出産したなど、

多くの子どもを産んだお母さんは鉄不足のリスクがどんどん高まってしまう。

 

産後うつが生じる原因はいくつかあるとは思いますが、

これは一つの関連する因子であるのは間違いないかと思います。

 

そして、こちらの記事でも少し紹介しましたが、

母親の鉄不足は子どもにも影響を及ぼし、

発達障害の状態像を生み出すこともあるそうです。

 

たしかに、発達障害に関する相談に来られた親御さんの中に、

お母さん自身の貧血症状が辛いという方がしばしばおられました。

そういった経験からも、

全てのケースではないにしても、

鉄不足が発達障害に関わっていることも

少なからずあることが予想されます。

  

お子さんや自分自身が鉄不足なのでは?と気になった方は

こちらの藤川先生のブログ

フェリチンの測定をしてくれる病院リストが挙げられていますので、

お近くで相談されてみるといいかもしれません。

  

私も一度、測定をしてもらったことがありますが、

少し鉄不足の傾向があるようでした。

そこで試しに本の中で紹介されていた鉄剤と

日常で鉄を増やす工夫をしてみると、

寝起きの疲労感が軽減した実感が強かったです。

他の栄養も取り入れる中で花粉症が治ったなどもあったのですが、

それはまた別の機会にでもご紹介します。

 

鉄の摂取で過剰症にはならないの?

よく鉄過剰摂取の危険性が聞かれることが増えているので、

それが気になる人もおられるかと思います。

ただ、藤川先生によると

“鉄剤経口投与では、必要量だけがトランスフェリンと結合し、吸収されます。必要量以外は便と一緒に排出されてしまいます。このため、鉄剤の経口投与による遊離鉄イオンの過剰は、理論的にはあり得ません。口から入る場合には、鉄過剰症にはなりにくいのです。” 

ということのようです。

 

つまり鉄過剰で問題になる場合は、

鉄を注射などで取り込んだ場合がほとんどということですね。

 

ただ、鉄剤を摂取していくような場合は、

念の為きちんとフェリチン値の測定を受けた上で、

摂取していくかを考えた方が安全かと思いますので、

その点は各自でお気をつけください

 

 

日常の鉄摂取を増やすための工夫

厚生労働省の基準を見てみると、

成人で性別などにもよりますが、

大体1日6~10.5mg程度の鉄摂取が望ましいとされているようです。

ただ、鉄不足の傾向がある人はもっと多く必要となることが予想されます

 

鉄剤は飲まないとしても、

日々の生活の中で意識的に鉄を摂取することは、

私の経験からも、

少し心身の不調がラクになりやすくなる要素だと思われます。

 

その工夫としてやりやすくオススメなものを3つ紹介します。

  1. 肉類(特にレバー)、魚類、貝類を意識的に摂取
  2. 鉄瓶や鉄鍋などの鉄製の調理器具を使用
  3. 鉄分の多いお菓子やジュースを買う

一つずつ説明していきます。

1.肉類(特にレバー)、魚類、貝類を意識的に摂取

鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、

ヘム鉄の方が吸収が良いです。

 

ヘム鉄にあたる食材として、

肉、魚、貝などがあります。

特にレバーは豚・鳥のものが鉄含有量が多いので、

食卓に意識して並べるようにしてみてください。

 

鉄不足の人はタンパク質も足りていないことも多いので、

お肉を摂ることはタンパク質の不足を補うのにも役立ちオススメです。

 

2.鉄瓶や鉄鍋などの鉄製の調理器具を使用

鉄の調理器具を使って食事をすると

1mgほど鉄を多く摂取出来ると言う説があります。

用意すれば普通に調理するだけでいい

という点も大きなメリットですね。

 

私は普段、鉄瓶を使用するようにしていますが、

鉄瓶でお湯を沸かすようにすると、

水道水もまろやかで美味しくなります。

ただ、鉄瓶や鉄の調理器具は扱いが難しそうで…

という方には『鉄卵』という商品がオススメです。

調理する際に、お鍋などに一緒に入れておくと鉄が溶け出すという物で、

使ったあとも拭き取るだけでいいのでとても使いやすい商品です。

 

3.鉄分の多いお菓子やジュースを買う

最近はお菓子などでも鉄分の多い商品が増えてきています

その中で、最もオススメなのがラブレlightです。

ジュース感覚で飲め、糖質も非常に少ないところがポイントです。

 

また、UHA味覚糖から出ているグミサプリもオススメですが、

こちらは気に入って数を摂りすぎると糖質過剰気味になるので注意が必要です。

 

他にも様々な鉄分の多く入った

お菓子が販売されてきています。

ただ、糖質が高いものには注意が必要です

 

糖質の過剰は、

ビタミンやミネラルを消耗する原因となり、

メンタル不調に関わることがあります。

 

 

今回の記事では、

鉄不足がメンタル不調に

どのように関わるのかについて紹介しました。

これを機に少しずつご自身の食生活についても

工夫をしていってみてください。 

 

鉄不足がある人は

タンパク質も同時に不足していることが多いです。

 

鉄を増やす工夫をしてみる方は

意識的にタンパク質も摂るようにしてみてください。

タンパク質についてはこちらの記事をご覧ください。

 

www.karadamental-brog.com

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栄養の問題に興味を持たれた方は

藤川先生のブログにもかなりたくさんの情報が載っています。

是非、一度ご覧になってみてください。