先日、大阪府吹田市江坂にある視覚情報センターでメガネを作ってきました。
目と心の関係についての学びにもなり、非常に良いところだったのでご紹介します。
視覚情報センターとは
田村友則先生が眼の問題をいわゆる視力だけではなく、
心・身体・眼のつながりを大切にし、メガネ作りを行っておられるセンターです。
この田村先生は学習や集中の苦手な子どもたちから、オリックス時代のイチローを始めとして、多くのプロのスポーツ選手に対する眼のサポートを行っておられます。
そしてその中で「眼の使い方」と「体や心」の密接な関係を重視し、眼からのストレスで心身の健康を損ねるという問題についても警鐘を鳴らされています。
元々、私はセンターから歩いて20~30分ほどのところに住んでいたのですが、そんなところとはつゆ知らず、このセンターの前を10年以上素通りしていました。
ところが、ここ1,2年ほどで、そこでメガネを作っているという人が周りにチラホラいることがわかり、非常に評判が良いことから大阪にいる間に行ってみることを決めました。
まず受診前に田村先生の著書を見てみたのですが、その考え方が非常に興味深い!
「よく見える」の落とし穴 そのメガネ、コンタクトレンズ、視力回復法でいいですか?
昔コンタクトを使用していた時に、眼にはあんまり良くない気がすると感じていたのですが、その勘が正しかったという確信が得られました。
その辺りの話は横にして、ひとまず眼についての考え方と現地で体験した検査について少しご紹介。
眼の機能と眼の検査
田村先生は眼の機能を
「外の眼」と呼ぶ、いわゆる視力や立体視の機能と、
「内の眼」と呼ぶ、眼に入った刺激をどう捉えて処理している機能
という二つの視点から考えられています。
その考え方を基にして、
検査の中では一般的な視力検査の遠いものを見る力だけでなく、
・近くのものに対してちゃんとピントが合うのか
・その際の眼の筋肉の負荷はどの程度なのか
・左右の眼の機能の偏りはどうか
といったことまで1時間ほどかけて丁寧に検査を行います。
その中で非常に興味深かった点が
①2つの眼の使い方
②左右の目の協調機能のズレ
③心と眼の関係
以上の三点についてでした。
①2つの眼の使い方
まず、私自身は「目の前のことにピンポイントで集中を寄せすぎる」眼の使い方があると指摘されたのですが、
先生の指示に合わせて遠くを眺めた後に字を読もうとすると、これまで意識したこともなかった眼の使い方の違いを実感しました。
それに気づいてみると、日常でも普段から自分が字を読むような、一点に集中を寄せる見方でしか眼を使っていなかったことに気が付くようになりました。
PC作業などで長期間眼を使った後、目の周りなどが重苦しい感じになり、寝るまでダルさが取れないようなことがしばしばあったのですが、眼の筋肉が緩んだ状態を作ることができていなかったのだとわかり、これ以降、眼のダルさが長続きすることが減ってきている実感があります。
メガネの完成までは一週間ほどかかったのですが、
完成したメガネを使い始めてからは目の疲れで頭痛を感じるようなことがほとんどなくなり、快適に過ごせています。
②左右の目の協調機能のズレ
自分の眼の使い方に気がつくことで疲れを感じにくくなったことにも驚きましたが、さらに驚いたのが指示にしたがって読んでいる最中にまばたきをした時でした。
文章を読み進めたところで一度まばたきをすると、自分がそれまで視点を置いていた位置から1センチ弱程度、視点がズレていました。
(画像の紫の点を見ていたのに、まばたきをすると視線の位置がピンクのところに動いているイメージ。)
これも全く自覚したことがない現象でした。
これはつまり、まばたきをするたびに無意識に眼の筋肉がこのズレを修正してることになります。
この細かな修正が増えてくると眼の負担も増し、だんだんまばたき自体が減ります。
すると、目の乾燥が進み、ドライアイに繋がる場合もあるそうです。
この体験を通して、学生時代にコンタクトを使用していて、専門書などを読んでいると異常に眼が疲れて、すぐに集中できなくなっていたことを思い出しました。
その当時はコンタクトによる過矯正の状態で、更にまばたきをする度に今よりも視点がズレているのを無意識に筋肉が調整していたことで、すぐに疲れてしまっていたのだろうと理解できました。
発達障害の子どもたちが黒板を見て、手元を見るのが難しい場合があるということは知識としては知っていましたが、実際に自分の視点がズレるのを体験すると、このズレが大きければ学習がいかに大変になるかというのはこれまで以上に納得出来たように思います。
③心と眼の関係
もう一点、非常に興味深かったのが、検査の中で田村先生がこちらを笑わせ、笑った後に見え方を確認すると実際に少し見えるように変化が起きることでした。
精神疾患の方などでも眼の余計な緊張が減ると変化があるといった話や、眼を使う心理療法であるEMDRなどでは、不快な記憶が出てくる眼の状態が変化することで処理が進んでいると考えられる、といったお話も聞かせていただきました。
先生とのお話の中で、以前、私がマイムアーティストのJIDAIさんのWSに参加した際、「眼を特定の状態にすることで感情が湧き出てくる」という体験をしたことも思い出しました。
「眼の力の入り方が特定の緊張状態を引き起こし、それが脳に刺激として送られ、特定の感情を生じやすくする」。
このような構造は、全身の筋肉の緊張状態により引き起こされること”からだの無意識の治癒力”にも紹介されていました
眼の緊張の重要性をピンポイントで実感でき、非常に面白い体験となりました。
作成した眼鏡について
今回作成したメガネは「プリズムレンズ」というものを利用し、近くを見る時に余計な筋緊張なく、ピントが合うように作っていただきました。
眼を使うことが多い生活状況の中で、眼へのケアを行って日々の疲れを取ることがとても大切な時代になっています。
身体への日々のケアだけでは追いつかない場合には、今回作った眼鏡のように外的な用具によるサポートも有効だと実感することができました。
かかった費用
視覚情報センターでのメガネ作成は、私の場合、
検査料金+フレーム代+レンズ代で今回は約5万円という料金でした。
高級な眼鏡屋さんでメガネを作った時の料金という感じでしょうか。
メガネを持参するとフレーム代が引かれるため、更にお安くなるそうです。
(フレームの形によってはレンズを入れられないこともあるかもしれません)
日常生活の中で眼が疲れやすいと感じられている方にオススメです。
一度作ってみられると非常にラクになると思います。
ブログで書かれている内容も非常に面白いです!
ご興味あれば視覚情報センターのHPもご覧になられてみてください。
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