【心身の発達とセルフケアを考えるからだメンタルラボblog】

様々な心理相談の現場経験や体験を基に、心身の発達や心と身体のセルフケアに役立つ情報や書籍を当事者・保護者・教職員や支援者向けに掲載しています。

低学年の登校しぶり

もうすぐ新年度に入る時期ですね。

新しく小学校に入学されるお子さんのおられるご家庭では、

入学に向けての準備がお忙しいことかと思います。

 

小学校に入学するにあたって、

元々幼稚園や保育園も行きたがらないこともあったし、

親御さんによっては学校に行きたがらなくなったらどうしよう。

登校しぶりがでた時はどうしたら…

といった心配を抱える方もしばしばお見かけします。

 

私は今年度いっぱいで

スクールカウンセリングの現場からは離れることにしたのですが、

比較的低学年の登校しぶりの対応は、

親御さんとの2,3回程度の面接でなんとかなることが多かったです。

 

今回は現場を離れる自分の備忘録的な意味もあり、

自分がしていた対応の基本をまとめておこうかと思います。

登校しぶりの原因はこれが全てではないですが、

基本部分としてはここを押さえておくのは有用なことが多いです。

少しでも心配されている親御さんの参考になると幸いです。

 目次

 

低学年の登校しぶりの基本的理解

対応の基本の考え方は、

私の中ではほとんど愛甲修子さんの

「愛着障害は治りますか?」を基本にしたものでした。

正直、これを読んでおいたら本記事はそこまで必要でない可能性もあります笑

 

 

小学校低学年での登校しぶりは、

「親(養育者)が目の前にいなくても内在化しているので安心できる状態」

まで愛着関係が発達しておらず、

学校で離れて過ごすことに不安が強く生じてしまう。

そこの安心感を立て直していくのが基本になります。

 

なので、

最初に来られた親御さんは、

「最近、朝1人で行けないので、一緒に学校までついてきています」

と話されることが多いですが、

この対応は非常に良いので、

本人が自然に離れていくまではそれを続けることをオススメします。

ここからはもう少し詳細を。

 

なぜ1人で行けなくなるのか?

1人で登校できなくなる背景として、

”退行”が起きている可能性があります。

 

退行というのは、

例えば、人はストレスが多くかかったり、不安が強くなると、

その年齢よりも少し幼い振る舞いをとるようになります。

これは、大人でも緊張する発表の前などには、

誰かに話を聞いてもらいたくなったり、

背中をトントンとしてもらって安心したりといった行動に繋がるもので、

誰しもに見られる現象です。

 

これは脳が年齢相応の振る舞いよりも少し幼い活動を取るようにさせており、

そうすることでエネルギー消費を少なくすることが出来ていると考えられます。

そうして、エネルギー消費を軽減して過ごすことで、

また年齢相応の振る舞いを出来るようになるエネルギー補充の意味合いがあります。

 

小学校低学年の登校しぶりなどでも、

一年生として振る舞う力はあるのだけれど、

お母さんと離れる不安やクラスメートとの人間関係、

慣れない学校環境や勉強の難しさなどの色々な負荷がかかったことで、

少し幼い状態である「1人で行けない」という状態になっていることが多いです。

 

登校しぶりへの対応

そこで、まずは年齢相応の振る舞いを再び出来る状態まで、

脳のエネルギーを回復してもらうために、

一つは先程も言ったように、本人が大丈夫といえる時まで付き添う。

というのが良い対応といえるわけです。

 

また、エネルギー回復を出来ることも役立つので、

本人が昔から好きだった活動や馴染んでいる活動に取り組む時間を作ることも役立ちます。

これは、本人だけでやっている方が集中できる場合と、

親子で一緒にやるほうがいい場合があるため、

そこはどちらのほうがお子さんが良い顔をするかが判断基準です。

 

根っこは安心感

これらの対応の根っこは本人の安心感を育んでいくことにあります。

なので、付き添いだけでなく、

お守りやお母さんを思い出せるタオルなど、

移行対象と言われる、本人の安心材料を持ち物に入れるということも役立ちます。

 

また、日常でのスキンシップを増やすということも、

体感レベルでの安心感を増やすことに繋がるので有用です。

 

ケースの中では、

神田橋條治先生の「母におんぶ」のワークを紹介することも多かったです。

詳しくは、「心身養生のコツ」という本をご参照ください。


心身養生のコツ

 

このワークの個人的な解釈としては、

おんぶの格好で密着することで体感としての安心感を作る。

年齢を数えることで、

ほぼ無意識レベルでその年齢で体験した出来事が浮かんできているが、

ネガティブなものが浮かんでもおんぶの安心感によって、

それが軽減されて、日常生活への悪影響が減少していく。

そんなトラウマケア的な機能のあるワークなんだと感じています。

 

小学校年齢の不安の強いケースでは、

高学年などでも試しにやってもらうと

以降、子どもが気に入ってやってと言うので続けているということが多いです。

 

以上のような方針で対応していると、

1ヶ月ほどで安定して過ごせるようになるケースはよく見かけました。

ただ、発達障害の傾向が強かったり、

睡眠の不安定など身体的な問題も混じっていると、

もう少しコンディニング的な身体育てのアプローチも必要になることが多いです。

 

そちらについては、

栗本先生の「人間脳の根っこを育てる」などの書籍もご参考にしてください。

 


人間脳の根っこを育てる 進化の過程をたどる発達の近道

 

早足な説明でしたが、

登校しぶりに悩まれている親御さんの参考になれば幸いです。

 

 

からだメンタルラボの今後の講座など

先日、NHKBSプレミアム「明鏡止水~武のKAMIWAZA~」にもご出演された

護道の廣木道心先生をお招きしての大人が整い、緩むための講座

「護道で整う心と身体」は4月11日(日)開催です。

お申込みはこちらから。

karadamental.com

 

5月には栗本啓司先生をお呼びしてのコンディニング講座を開催予定です。

詳細はもう少しお待ち下さい。

 

からだメンタルラボへのご相談は以下の問い合わせから。

相談ケースも少しずつ増えているため、

4月からは金曜日も相談対応が可能となります。

オンラインでのトラウマケアも実施中です。

karadamental.com