新年明けましておめでとうございます!
昨年は多くの方にコンディショニング講座@大阪にもご参加いただき、
誠にありがとうございました。
本年もよろしくお願い致します。
今年はこのめんどくさい状況がさっさと落ち着いてくれたらいいですが、
今の政府の色んな方面に忖度してるだろう対応を見てると
まだまだかかりそうですね。
そんなお話はさておき、
今年最初の読書はこの一冊となりました。
期待していた以上に良書だったので、
久々にご紹介。
本書について
こちらの著者は山口創氏で、
以前から皮膚や肌からのアプローチについて、
様々な著書を出版されている臨床発達心理士で
桜美林大学の教授をされている方です。
花風社の”人間脳を育てる”の参考図書としても
この先生の著書が何冊か紹介されているので、
読んだことのある方も多いかもですね。
この本は身体、特に皮膚や腸などが、
どのように脳や心に影響を与えているかということについて、
色々な研究を紹介しながら説明をしています。
コンディショニング講座@大阪で
いつもお呼びしている栗本先生が実践されている
コンディショニングで行う様々な方法が、
科学的にはこういった繋がりがあるとわかっているのだなと、
納得できる部分があり、非常に興味深かったです。
身体への意識が失われていると、
勘が働かなくなってくるということは、
実践してきた感覚としても「そうだろう」と思っていましたが、
今回、この本によれば皮膚刺激と脳の関連から
そこがある程度説明できそうでした。
共同注視と身体接触
また、個人的に1番興味深かったのが、
本書の中では共同注視が皮膚感覚によって成立するという説でした。
本書の中ではチンパンジーの赤ちゃんがお母さんにくっついている状態を例に、
「お母さんが危険を感じたとします。すると赤ちゃんはお母さんがドキドキする鼓動や、急に動きが速くなった様子を皮膚感覚として感じるでしょう。それが自分の鼓動の感覚と違うことが意識されることから、自分の身体と他者の身体が違うことが意識され、そこから自己の感覚が生まれるという」 P138
と説明しています。
このような言葉ではなく身体で自分とお母さんが違うことを感じるのが、
共同注視の成立のきっかけとなるのであれば、
共同注視の成立していない子に対して、
言葉かけだけで共同注視をさせようとするのがいかに無謀かよくわかりますね。
そしてそのような身体でお母さんの鼓動を感じるようなことを想像すると、
身体の密着度が高いほうが全身でその感じを味わえることが予想できます。
神田橋先生が愛着障害の治療として、
おんぶの気功というものを薦めていますが、
それもこういった密着状態でお母さんの安全な状態を全身で味わえるという面も
効果が生じる一要因なのではないかと思います。
もちろん、おんぶを出来る状態までに
親子関係が安定しているのが前提となりますが、
なかなか共同注視が成立しない子たちに対して、
おんぶを始めとした身体で触れ合う活動を行うことで、
感覚レベルから自他の区別を育てていくことが出来る。
この視点は発達に心配なところのある子どもたちを見ていく上で、
非常に重要なものであるはずです。
数年前に比べて身体へアプローチすることの重要性を示す本というのは、
年々増えてきているような感じもありますが、
カウンセリングなどの教育では触れることは禁忌という伝統教育もあり、
学校などの現場では触れ合いは制限されることも増えてきています。
やはり各家庭で昔から本来当たり前にあった触れ合いや、
子どもと一緒に過ごす、遊ぶといった活動を取り戻していくことが、
これからの世の中必要なことなのではないかと思った新年初読書でした。
コンディショニング講座のお知らせ
家庭で出来る子どもたちへのアプローチについてご興味ある方は、
2021年1月17日(日)に開催する、
栗本先生をお呼びしてのコンディショニング講座@大阪もオススメです。
午前講座は既に定員となっておりますが、
午後の講座は「大人自身が弛む」がテーマで、まだ少し空きがあります。
身体が弛むと自然と脳には余裕が出来ます。
余裕が出来るとイライラが減ったり、
子どものペースに合わせる感じがつかみやすくなることもあります。
触れ合う活動をしようと思っても、
固い状態の大人が触ると子どもは嫌がることもしばしばです。
まずは大人からラクになり、
子どもたちと日々を楽しめるための第一歩としてもらえたら幸いです。
ご応募、詳細はこちらのリンク先からどうぞ!