【心身の発達とセルフケアを考えるからだメンタルラボblog】

様々な心理相談の現場経験や体験を基に、心身の発達や心と身体のセルフケアに役立つ情報や書籍を当事者・保護者・教職員や支援者向けに掲載しています。

タッピングで身体のトラウマケアから脳機能の発達まで【マコ・川村のタッピングセラピー】

以前の記事で、

トラウマへの対処方法として、

タッピングというものを紹介しました。

 

そのタッピングを更に進化させ、

発達障害の改善などにも役立てている川村先生

そのノウハウを

”からだは驚異の修復装置!マコ・川村のタッピングセラピー”

という本にされました。

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帯の神田橋先生の推薦の言葉にもある通り、

「自分で出来る治療」を学ぶことができます。

 目次

 

 

著者について

この本の著者、川村昌子さんは

元々はスチュワーデスやコンパニオン、

大学の非常勤講師などの様々な仕事を経験された後に

カウンセリングの道に進まれた異色の経歴をお持ちです。

 

カウンセリングを学ぶ中で、

以前の記事でも紹介したTFTを学び、

日本で初のトレーナーの一人にもなられたそうですが、

現在はそれを更に発展させた

独自のタッピングセラピーを開発し、

今もなお進化を続けられています。

 

本書の中では、

その技法が惜しみなく紹介されており、

一つの心理治療を極めた方の世界を垣間見て、

さらにその方法を学ぶことができます。

 

内容

はじめに

第1章 川村アルゴリズム(KALGO)でストレス解消

第2章 筋肉反射テスト(Applied Kinesiology)で原因を探す

第3章 キャラハン先生と神田橋先生

第4章 一人筋肉反射テスト

第5章 性的虐待はありとあらゆる精神の問題を作る

第6章 発達障害?脳の未発達はタッピングで発達する

第7章 まとめ

付 これまでの実績

おわりに

以上のような内容となっており、

基本的なセルフケアのやり方を学ぶだけであれば、

第1章を読むだけで最低限は理解できます。 

 

それ以降も、

その他の章もこれまでの豊富な実践経験に基づいて

技法が発展してきた経緯やわかったことが語られ、

とても読み応えのある一冊となっています。

 

筋肉反射テスト(Applied Kinesiology)とは

タッピングセラピー自体が

少し不思議なところのあるセラピーで、

その中で筋反射を見るテストも用います。

 

筋肉反射テストとは、

身体(筋肉)の反応を通して、

薬など自分の身体に合うもの合わないものを判定する技法です。

O-リングテストという名前であれば

聞いたことのある方もいるのではないでしょうか?

 

本書の後半で紹介されている技法は

筋肉反射テストも用いるものですので、

読んですぐ真似できるという人はあまり多くないかもしれません。

 

むしろ、

そのあたりで本書の内容をオカルトチックだと感じる方も

少なからずいそうな気はします。

 

ただ、そこが信用出来ないと思われる方でも

前半のKALGOとして紹介されている

基本のタッピングのやり方をしていくだけでも、

自身のセルフケアとして役立てることが可能です。

 

タッピングによるセルフケア

詳しいやり方は本を参考にしてもらうとして、

基本的なやり方は、

嫌な記憶や処理したい感情をイメージした後に、

13個のツボを順番に20回ずつタッピングしていく

という簡単な方法です。

 

実施時間は数分程度ですが、

これだけで気分が軽くなったり、

嫌な記憶に揺さぶられにくくなります。

 

根っこが深い問題であれば、

その問題を探る必要があったりしますが、

セルフケア方法の一つとして

知っておいてもらいたい方法です。

 

感想

トラウマが全身に及ぼす影響

本書の中で、性的虐待などのトラウマ治療を経て、

筋反射テストで影響が残っているところは、

脳や骨、筋肉など、

全身の様々な場所であることがわかったと語られます。

 

トラウマを負った人たちが、

「自分ではわかっているけど気づいたらそうなってしまう」

という背景には、

そういった身体に残ってしまっている影響が

大きいのだろうと想像できます。

 

ここ数年、トラウマ治療においては

ソマティック・エクスペリエンスやBCTなど、

身体も含めてアプローチするものが増えてきており、

これらのアプローチの正当性が示されたといえます。

 

発達障害の脳機能の改善について

本書の中で注目すべき点として、

脳の部位を筋反射テストで特定し、

必要なツボをタッピングすることで、

脳機能の発達が見られるという現象が示されていることです。

 

栄養療法で心身の働きが改善し、

身体アプローチで発達のヌケを取り戻すことに加え、

タッピングで脳機能の発達を促せるとなれば、

更に予後が良くなっていく可能性もあります。

 

実際に、ケースの中で試してみると、

多動気味だった子が少し落ち着くようになることもあり、

まだまだ私にとっては未熟なスキルではありますが、

しばらく鍛錬を続けていきたいと思います。

 

その他

心理療法の新しい流れ

元々の心理療法やカウンセリングというものは、

フロイトの精神分析が主流となり、

富裕層を相手に長く継続して行うものでした。

 

ただ、近年、

心理学以外の色々な分野の発見が

心理療法に取り入れられ、

更に長期間お金をかけ続けられないという

利用者側の経済的な要請も相まって、

以前のように長期間カウンセリングを続けるのではなく、

本書のタッピングのように、

新たに短期間で効果の出る治療技術なども出てきています。

 

先日、私が学んできたUSPTという解離、多重人格の治療法も、

人格の統合が早ければ30分ほどで終わる

ということもあるものでした。

 

ただ、大学院などで学ぶ心理治療においては、

治る、良くなるというものではなく、

長く継続しながら少しずつマシになっていくもの

というようなイメージが作られやすいように思います。

 

そのイメージを持ったまま心理士として働いている人は、

良くならなくても仕方ない、

少なくとも2年くらいはかかるものだからと平気で話していたりもします。

もちろん、生活環境などの外的な状況によっては、

長期間かかる事例もありますが、

短期でも変わることが出来る可能性を信じている人に

支援されているのかということは、

予後にも大きく関わるのではないかと思うのです。

 

これから先、短い期間でラクになれる心理治療の方法について、

更に色々なものが見つかってくるのではないかと思います。

今後、更に心理治療の方法が発展し、

ラクになっていく人が

増えていってくれることを期待したいところです。

 

 

 

 

 

からだメンタルラボ1月の講演会情報

講演会「発達障害の自立と未来」は引き続き、参加者を募集中です。

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