【心身養生を考える からだメンタルラボblog】

身体と心へのアプローチを実践しているからだメンタルラボの活動情報や、鹿児島市での活動を地域支援活動を行うこだちの活動情報、身体と心のつながりについてのお話などを掲載しています。

当事者の体験から学ぶ発達障害に薬がもたらすもの【断薬の決意】

最近は発達障害があると、

服薬を勧められることが多いです。

 

しかし、実際に服薬をした時に、

どのような体験をするのかを

知っている人はあまり多くないのでしょうか?

 

服薬を経て、

その薬から自立しようと努力する

当事者の方の体験を知ることのできる

断薬の決意”という、

素晴らしい本が出版されました。

 

発達障害のある大人や子ども、

それぞれに関わる保護者や支援者

皆さんに読んで頂きたい一冊です。 

f:id:karadamental:20190707012116j:plain

 

 目次

 

著書の藤家寛子さんとは?

発達障害当事者として、

発達障害のある人の不思議な認知や身体感覚を語る

自閉っ子、こういう風にできてます!」や、

一次障害、二次障害を乗り越え、

就労に至る過程を紹介した

30歳からの社会人デビュー」など

花風社から複数の書籍を出されています。

 

20代の頃には、

発達障害の一次障害も、

二次障害もあったそうですが、

それを見事に乗り越え、

今は一般就労をされているそうです。

 

何度か講演会でお見かけしましたが、

キレイなしっかりしたお姉さんという感じで、

とても二次障害などに悩まされていた時代がある方

とは感じられなかったことが印象的です。

  

藤家さんの著書は、

いずれも非常に前向きで、

発達障害について理解が進むだけでなく、

読み終わった後に、

「自分も頑張ろう」

という気持ちにさせてくれます。

 

この本以外の著書も、

発達障害当事者、

そのご家族や支援者、

どなたにもオススメです。

 

断薬の決意について 

目次

  • 第一部:なぜ服薬したか?
  • 第二部:服薬の現実
  • 第三部:断薬への道
  • あとがき

内容 

という流れで、

服薬に至った経緯、

服薬を行う中で感じた効果、

断薬に至る経緯と

医師に相談しながらの

断薬過程での症状の変遷が語られます。

 

最後には、

薬が本当に必要だったのか、

飲まないで済むために

出来ることの提案もなされています。

 

 

感想

精神科の薬を飲むことで起きる変化

私自身はこれまで

精神薬を飲んだことはありません。

しかし、働く中で

飲んでいる人と関わってはきていました。

 

そういった人々が、

薬を飲む中でどういった体験をしているのか、

ということは時々聞かれる

不調や薬が合わないという訴えから

想像するだけでした。

 

薬を飲んでいる人々から感じる、

不自然な不安定さ、

なんともいえないアンバランスさ、

そういった背景にあったであろう体験を、

この本を通して、

よりリアルに想像出来る気がしました。

 

今回の体験をきっかけに、

今後はより眼の前にいる人々に生じている、

薬による影響を意識することができそうです。 

 

自分の健康のゴールを自分で決める姿勢

著書の藤家さんは発達障害の一次障害も、

二次障害も乗り越え、

服薬はしながらも、

社会人として一般就労をされていました。

人によってはもうこれで十分と感じるでしょうし、

支援者などでも十分と言うことも多いはずです。

 

それでも、

周りの言葉を基準にこれでOKと決めるのではなく、

自分自身を基準として、

まだ上を目指すと決め、

離脱症状にも悩まされながら、

断薬の努力をされる過程

 

ここに非常に健康な心のあり方を感じます。

自分で自主性を持って選び、決め、努力をする。

読書を通して、この心のあり方に触れることは、

読者に非常に良い影響を与えるのものだと思います。

支援者がなすべきこと

この本を読む中で、

発達障害のある人々の不調の背景には、

やはり身体の問題が大きいこと、

そこに対処をすることなく、

服薬を選んでしまうことには

リスクがあることを強く感じました。

 

そして、

今は服薬の前に出来ることが

どんどん見つかっています。

それをきちんと親御さんに

出来る形で伝えること、

それは支援者側に

求められる使命なのではないでしょうか。

 

特に、支援職の中には、

悪意なく

「発達障害なら、

とりあえず病院に繋いで、

薬を出してもらったらそれでOK」と

考えているのでは、

と感じる人もいたりします

 

そういった支援者に当たってしまうと、

不安な親御さんは、

「とりあえず不安だから薬を」

と深く考えることが出来ずに

服薬に至ってしまいます。

 

この本が広まることによって、

そういった支援者の意識が変化し、

促されるままに服薬に至るような悲劇が

なくなっていってくれることを祈りたいです。 

 

その他(気になった点や疑問点など)

あくまでも薬=悪ではない

人によっては、

薬=悪といった

偏った思考になってしまう

リスクもあるかもしれません。

 

その時に意識してほしいこととして、

あくまでこれは、

一人の当事者の体験であること。

 

そして、ここに書かれている話は

あくまで医療における全ての薬の話ではない

ことは忘れてはいけません。

医療の場で薬が必要な状況というのは

もちろんあるはずです。

  

それでも、

特に発達障害のある子の服薬については、

今、薬は本当に必要なのか、

他に出来ることがないのか、

ということを一度でも考えることが重要だと考えます。

 

それを考える際に、

当事者の体験を知る方法は

あまり多くありません。

この本がその一冊として、

もっと世に広まって欲しいです。

 

一人での断薬は危険です

断薬をすることは、

あくまで医師と相談をしながら行うべき行為です。

この本を読んで、

「私も薬を辞めたい」と急に薬を辞めると、

非常に危険ですので、ご注意ください。

 

読んでほしい人

断薬の決意は、

薬を飲むことによる

メリット、デメリットだけでなく、

実際にどのような体験が生じるのか

実体験から書かれている貴重な一冊です。

 

紹介されるエピソードからは、

発達障害のある方の物事の捉え方の特徴や、

その対応のコツも読み取ることが出来ます。

 

そして服薬の体験をふまえた上で、

薬を飲む前に出来ることの提言もされています

 

 

発達障害のある子どもたちに

薬を飲ませるかどうか悩む親御さん、

 

発達障害のありそうな生徒の

病院受診を勧めるか悩む学校の先生や支援者。

 

そういった方たちに読んでぜひ、

一度読んでもらいたい一冊です。