【心身養生を考える からだメンタルラボblog】

身体と心へのアプローチを実践しているからだメンタルラボの活動情報や、鹿児島市での活動を地域支援活動を行うこだちの活動情報、身体と心のつながりについてのお話などを掲載しています。

トラウマ克服のために!身体からラクにするセルフケア【タッピング・焼酎風呂etc】

生活をしていると、

ふと昔の嫌な記憶や不快な体験が頭をよぎる。

職場であったことが夜になって思い出されて不快な気分になる。

 

そんな体験をしたことはないでしょうか?

これはトラウマのフラッシュバックと呼ばれる現象かもしれません。

 

嫌な記憶がちらつく状態が続いていると、

なかなか前向きな気持ちになれなかったり、

ふとした時にイライラしたり、

夜寝ようとしても眠れなくなったり、 

 寝ても嫌な夢を見てしまい、日中にしんどくなったり、

生活のいろいろなところで支障が出たりします。 

 

そんな状態に対して出来ることはないのでしょうか? 

今回はトラウマ・フラッシュバックとはどういう状態か。

それに対して私の経験上、効果のあった

一人でも出来る簡単なケア方法を3つ紹介します。 

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 目次

 まず、

どうして嫌な記憶が出てくるのかについて説明します。

 

嫌な記憶が出てくる原因は?

この嫌な記憶が出てくる原因は

その記憶がトラウマになっているのだと考えられます。

そして、トラウマの症状の一つにフラッシュバックという症状があります

 

では、

トラウマとは何か。

Wikipediaから引用しましょう。

心的外傷(しんてきがいしょう、英語: psychological trauma、トラウマ)とは、外的内的要因による肉体的、また精神的な衝撃を受けた事で、長い間それにとらわれてしまう状態で、また否定的な影響を持っていることを指す。

心的外傷が突如として記憶によみがえり、フラッシュバックするなど特定の症状を呈し持続的に著しい苦痛を伴えば、急性ストレス障害であり、一部は1か月以上の持続によって、心的外傷後ストレス障害(PTSD)ともなりえる。

心的外傷となるような体験を、外傷体験(英:traumatic experience)という。

 

もう少しシンプルに説明すると、

衝撃的な事件や事故、不快なことを

体験したり、目撃することをきっかけとして、

同じ状況や似た状況に恐怖を感じるようになったり、

その場面を避けるようになる状態です。

そして、それを無意識に思い出してしまう

フラッシュバック”が伴うことがあるのです。

 

ポイントとなるのは、

この状態は体験した時だけではなく、

目撃した時や耳にした時にも生じる状態だということです。

 

人によっては、

災害のニュースを目撃したり、

事件や事故のニュースを目撃したことで、

しんどくなってしまい、

それが頭から離れないということもあるわけです。

 

特に共感性の高い人は、

辛い体験談を聴いたことでも

ショックを受けてしまい、

トラウマやフラッシュバックの状態に陥ることがあります。

 

フラッシュバックとは?

神田橋先生は“発達障害は治りますか?”という著書の中で、

非常にシンプルにわかりやすくフラッシュバックを定義されています。

フラッシュバックは思い出したくない記憶が何かのきっかけで突然噴出するように思い出される現象です。視覚像が多いですが、イメージを伴わない気分だけのフラッシュバックも多いのです。

そして、これは警戒をうながす機能であり、いいものはあまりフラッシュバックしないとも述べています。

  

意外と身近なフラッシュバック

こういった専門的な説明を受けると、

なんとなく自分とは縁遠いもののように感じることもあるかと思います。

私も実際、そんな感覚を過去には持っていました。

 

ここからは自分自身の体験ですが、

以前、神田橋條治先生に診ていただく機会があり、

その際にフラッシュバックがあることを指摘されました。

 

その当時は漢方薬の処方と

フラッシュバックに効く気功、

焼酎風呂のやり方を習いました

試しに数日続けてみると、

2.3日で日常生活中にふと過去のちょっとした嫌なことが思い出されて、

なんとなく嫌な気分になるという現象がなくなりました

 

その当時は、特に支障はなかったと思っていましたが、

色々な場面での緊張など、

小さなフラッシュバックが細かく影響していたのだと気づきました。

 

その後、TFT(思考場療法)という

トラウマセラピーを身につけました。

その中で簡単なタッピングで、

自分の嫌な気分や記憶が思い出される際の

抵抗感がなくせることも体験しました。

 

今も自分で嫌な体験をした時、

嫌な感じがある時には、

それらの方法などを使うことで、

気持ちの切り替えに役立っています。

 

 

もしも、

自分のトラウマを乗り越えたい

ふと嫌なことが無意識に思い出されて嫌な気分になる

という感じに思い当たる方は、

以下で紹介するようなセルフケアを試みてみると、

少しラクになる部分があるかもしれません。

 

また、最近は子どもが犠牲になった事故などのニュースも多いです。

そういったものを見てから、夜寝付けなくなった。

なんだか不安になることが増えた。

そういった状態に身に覚えがある方は、

ニュースで見聞きした時に感じた感情や感覚が

フラッシュバックしているのかもしれません

そのような場合にも、

以下で紹介するようなセルフケアは有効なことがあります。 

 

ただし、以下の点にはご注意ください

重いPTSDやフラッシュバックには

神田橋先生は“神田橋條治精神科講義”の中の、

フラッシュバックの治療という講演記録において、

フラッシュバックの制御はPTSD治療の前処置です。PTSDの治療は、外傷体験を通常の体験群のなかに位置づけることです。それには外傷体験の記憶に直面することが第一歩です。直面によって引き起こされる感情反応が治療作業を不可能にしない程度にまで、反応の程度を軽減するのがフラッシュバック制御の目的です。この段階でやめてしまっては、治療をしていないことになります。

と述べています。

 

これはつまり、フラッシュバックを軽減するのはあくまで第一段階であり、

過去にあったことが自分の体験の一つとして統合された状態になる

ことがトラウマ治療のゴールだということです。

セルフケアだけで、

そこまでを達成することは難しいこともあります。

 

そして、フラッシュバックを取り扱うことは動揺を招くものです。

イメージするだけで気分が悪くなる、

心身の調子が耐えられないほど悪くなる

といった場合は重い症状だといえます

ですので、重いPTSDやフラッシュバックの治療は

経験を積んだ専門家に相談をすることが望ましいです。

 

ここで紹介するのは、

症状の軽いトラウマやフラッシュバックを

克服する効果が期待されるものです。

 

繰り返しますが、

やってみようとして気分が悪くなる、

嫌な気持ちが強いといった場合には、

実践しないようにご注意ください

 

 

トラウマへのセルフケア

①タッピングを用いたセルフケア

からだメンタルラボでトラウマやフラッシュバックに対しては

タッピングを用いるTFT(思考場療法)

眼球運動やタッピングなどを組み合わせたBCT(ボディコネクトセラピー)

と治療を行うことが多いです。

 

どちらも効果が出る際は数分~週十分と非常に早く効果が感じられ

トラウマ記憶の内容は必ずしも語らなくとも、

治療出来うることがあるという点が大きな特徴です。

 

BCTは新しい治療法のため、

まだ書籍などは出版されていませんが、

TFTについては、日本TFT協会のHPにて、

ストレスケアの手順 | 日本TFT協会

簡単なセルフケア方法が動画で紹介されています。

これは基本のやり方ですが、

これだけでも合う人は不安感や嫌な記憶がスッキリします

 

効果を感じた方は、

嫌な記憶を思い出した時の感じとして

「(その記憶が)遠くなった」と表現されることが多く。

嫌な記憶を思い出すと、

すぐに身体が反応して

動揺してしまっていた状態がラクになる効果があります。

 

自身で行うための書籍も販売されており、

そちらを参考にやってみることも出来ますので、

興味がある方はそちらも参考にしてみてください。

 

  

②入浴によるセルフケア

上述の私が習った焼酎風呂もオススメの方法です。

これは簡単に心身がスッキリするとともに、

フラッシュバックを軽くする効果もあります。

 

やり方はおちょこ半分程度の芋焼酎をお風呂に注ぎ、

そこに頭も含めて全身浸かり、

洗い流さずにタオルで拭き取るというシンプルなものです。

 

入浴してみると、

身体がポカポカし、

嫌な記憶や感じがスッキリして、

文字通り

「眼の前が明るくなる感じ」を味わえることが多いです。

 

より詳しくお知りになりたい方は、

神田橋先生の“心身養生のコツ”を読んでみてください。

他にもフラッシュバックに使える気功など

セルフケアに役立つ情報が盛りだくさんの一冊です。

 

 

③身体を緩めることによるセルフケア

以前の記事で紹介したように、
フラッシュバックの状態を
こころがこだわってしまっている状態と捉えることも出来ます。

 

そうであれば、身体の緊張を緩める方法によって、

フラッシュバックの状態を軽減できることがあります

 

こちらの金魚体操のような方法で自分の体を緩めてみてください。

身体に注意を向けながら、気持ちよく緩む感じを味わっていくと、

嫌な記憶が少し楽になることがあります。

matome.naver.jp

実際、継続して金魚体操を行っていたら、

トラウマが軽くなったといった声が聞かれたこともあります。

 

やってみて良い感じがしたものは

セルフケアとして役立てることが出来るものです。

ちょっと調子が悪い時や、

嫌なことが頭から離れない時などに試してみてください。