【心身の発達とセルフケアを考えるからだメンタルラボblog】

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心身の健康のために5つの資質から「気持ちいい」生活を作るコツ

最近、なんだか調子が悪い、

精神的に落ち着かない、

そんな日々が続いている時は

少し自分の生活を振り返ってみると良いかもしれません。

 

今、あなたの普段の生活を振り返ると

「気持ちいい」と感じることはどのくらいありますか?

この「気持ちいい」という感覚がある暮らしをすることが、

心身健康に暮らしていくためには大切です。

 

そして、その「気持ちいい」を見つけるためには、

「自分の資質」を知っておくことも大切です。

 

今回は、「気持ちいい」の大切さと、

「資質」の見つけ方について紹介をしていきます。

 

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目次

 

なぜ「気持ちいい」が大切なの?

メンタル不調があったり、

心身の不調を感じている人に対して、

自分の気持ちいいことを考えてもらうと、

「なにも…」「以前は〇〇だったけど」といったような感じで、

なかなか思いつかなかったり、

気持ちいい感覚がわからなくなっていることが多いです。

 

なぜ気持ちいい感覚がわからなくなってしまうのか。

その理由を考える上では、

神田橋條治先生の指摘が重要だと考えています。

 

神田橋條治先生の指摘

神田橋先生は日本の精神科医療のカリスマといわれる方で、

  • 発達障害のお子さんを一度診てもらったら急激に発達するようになった、
  • 引きこもっていた方が一度の受診で社会復帰した、

などの数多の劇的な改善の事例をお持ちの先生です。

 

精神科の受診は数ヶ月待ちが多いにもかかわらず、

週に二回だけの診療で当日受診が出来るというのも、

来る患者さんが治っていっているからだと言えるでしょう。

  

そして、その神田橋先生は以前から、

精神科養生のコツ”という

患者さん自身が健康になるのに役立つ工夫をまとめたの書籍を出されていました。

 

今年4月にその本が最終の改訂をし、“心身養生のコツ”という

これまで現場で工夫し開発した種々の健康法をまとめたものになりました。

この本の中で「気持ちいい」という感覚がいかに重要であるかを述べています

心身の不調に悩む方はぜひ一度、見てみられると役に立つ一冊です。

 

「気持ちいい」の重要性

心身養生のコツ”の中で、先生は

気持ちいい・悪いという感覚を掴んで、その感じで全てを判定すること

がいちばん大切で基本的な養生のコツであると言います。

その効果として、

最終的には自分がどんな人なのかが分かってきて、どんな人生を選ぶのが良いかが決めやすくなります。この練習は、信頼できる羅針盤を自分の中に作る作業なのです

と述べています。

 

つまり、人は不調になるにつれて、

「気持ちいい」がわからなくなっていき、

だんだん自分の中の基準がわからなくなっていくわけです。

 

そこで、意識的に「気持ちいい」を

見つけ、味わい、増やしていくことによって

自分を取り戻していくきっかけとしていくことが出来るのです。

 

 操体法で「気持ちいい」を体験してみよう

 

この「気持ちいい」を重視する健康法の一つに

『操体法』というものがあります。

医師の橋本敬三氏が生み出した健康法です。 

 

操体法の考え方

身体運動のみならず、

食事・思考・呼吸などの問題も捉え、

健康について考えられた幅広く奥の深い理論ですが、

その中の運動の考え方は日々のケアに非常に取り入れやすいです。

 

基本の考え方は

気持ちのいいことは何をしてもいい。苦しい方、痛い方に動くのではなく、ラクな方、気持ちのいい方へ動けばいい。

というものです。ただ、

その時にはうんと気持ちよくっても、後になって気持ちが悪くなる、つまり後味が悪いっていうのがあるが、それは本当の気持ちよさとは違う。 

 

とも指摘されています。

運動における「気持ちいい」

スポーツは健康に良いと言われますが、

スポーツをやり過ぎて身体を壊す人もいますね。

 

そういった人は自分の「気持ちいい」がわからなくなっており、

「気持ち悪い」になっているのに続けることで、

逆に身体を悪くしてしまっているということです。

 

スポーツをやりすぎて

身体を壊してしまう例にはよくあることですね。

その時はランナーズハイのような状態で「気持ち良かった」が、

後から身体に痛みなどの不調が出てきてしまうわけです。

 

そういった状態に陥るのを避けるためにも、

自分の「気持ちいい」がきちんと感じられていることは重要です。

 

操体法的な身体の動かし方

それでは、実際に身体を動かしてみましょう。

操体法の考え方による身体緩めは大雑把に言ってしまえば、

「動かして痛い方には動かさず、気持ちいい方向にしっかり動かしましょう」

ということです。

 

細かいやり方もあるのはありますが、

ひとまずシンプルなやり方を紹介。

 

立った姿勢から前屈をしてみる。

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画像は手が垂れてないですが、手もだらんとしましょう。

 

次は反対に腰に手を当てて身体を反らせます。

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やってみると、片方が痛かったり動きにくい

もう一方は動かしやすい、気持ちいい感じ、と差があることが多いです。

 

この時に気持ちいい方に動かすようにすると、

気持ちよくなかった方も整っていくというのが基本的なやり方です。

 

 

何度かやってみると動きにくかった方が

さっきより動くようになったり、

少し痛みが軽くなるなどの変化が感じられたのではないでしょうか?

 

分かりにくかった方は

試す際には、急いでやるのではなく、

息を吐きながらゆっくりと、

力いっぱいではなく、

気持ちよい感じがする範囲で動かすようにしましょう。

 

前後意外にも、

体の捻りや左右に身体を倒す動きでも同じことが出来ます

自分の身体の感覚を確かめつつ、

「気持ちいい」を探してみてください

 

もっと詳しいやり方について知りたい方は

“ひとりで操体法”などの操体法の本を参考にされてみることがオススメです。

 

 

資質を活かすことの大切さ

「気持ちいい」と感じるものというのは、

特定の運動などを除くと、

(これもどのくらいの量などは個人差がありますが)

「これをすると気持ちいい」という活動は個々によって異なります

そこで、「自分の資質」を理解し、

その「自分の資質」に合った活動を

生活に取り入れることが健康に暮らしていくために大切になります。 

資質が生かされている状態とは

神田橋先生の講演録である、

“神田橋條治精神科講義”に収録されている『資質を生かす』という講演の中で、

いちばん大事なのは、今やっている仕事、それをやっているとその人の気分がよくなるということ。客観的には生理的な機能が改善するということです。「ああ、よう働いた。飯がうまかった」とか「今日も元気だ。煙草がうまい」とか、資質が今の活動に生かされて、発言されているときは、どんなに小さくても、それは自己を実現しているわけ。そういうふうにやっていれば健康なの。

というように資質が生かされている状態が表現されています。

 

つまり、やってみて気分が良く、

後々の体調なども調子が良い状態が理想ということですね。 

 

5つの資質

先生が注目する資質としては5つが挙げられています。

  • 運動系(足が速い、歩きはじめが早い)
  • 芸術系(フィーリング、感覚の世界が優れている、このカレーは好き、ここのカレーは好かんなど食べ物の好き嫌いが強いことも)
  • 概念系(字を早く覚えて、よく勉強する)
  • パフォーマンス系(人前で何かをするのが好き)
  • 付き合い系(人付き合いが上手)

 

この分類はシンプルで分かりやすいですね。 

普段の自分を振り返ってみて、

あなたの資質はどこに当てはまるでしょうか?

 

ヒントは自分がそれをした後に

「気持ちいい」ものがどれかということです。

自分にとって「気持ちいい」ことやシチュエーションを考え、

それがどの分類に合いそうか考えてみましょう。

 

人と会った後には調子がいいというのであれば、

人付き合いが自分の資質としてあるのかもしれません。

人と会うと調子がいい時と悪い時があるのであれば、

その人と会った時にしていた活動の中に

自分の資質に響いている部分があるのかもしれません。

 

いくつかの資質が重なり合っていたりもしますが、

色々な「気持ちいい」を見つける中で、

自分の傾向がわかってくるかと思います。

 

「資質を生かし」て「気持ちいい」が多い暮らしを

そうして自分の資質がつかめてきたら、

自分の資質に合った生活をすることが、

自分に合う健康法の一つになるのです。

そうすると、自然に「気持ちいい」感覚も増えてきます

 

合わないことをしている時は、

終わったら自分をしっかり労う。

どうしても合わないことや耐えられないなら、

周りにサポートしてもらう。

 

そういった形で自分の出来ること、

出来ないことを試行錯誤しながら、

生活していくことで、

より自分のことが理解できてきますし、

自分らしい人生を選べるようにもなっていくのです。

 

 

また、自分の言葉が出る以前に好きだった活動は、

資質に関連していることも多いとも言われています

そういったこともヒントにしながら、

自分の資質について考えていってみてください。

 

 

記事の中で紹介した、

神田橋條治精神科講義”は

資質の話以外にも、

子育て、介護、人との関わりなど

多岐に渡るテーマについて、

精神医療の観点からの助言が掲載されており、

人生に悩んだ時のヒントになる一冊です。

ご興味ある方はぜひ、一度ご覧になってみてください。