【心身の発達とセルフケアを考えるからだメンタルラボblog】

様々な心理相談の現場経験や体験を基に、心身の発達や心と身体のセルフケアに役立つ情報や書籍を当事者・保護者・教職員や支援者向けに掲載しています。

障害のある子どもたちの進学、手帳取得を考える【なごみすとvol1】

以前もご紹介した

障害のある方の進学・自立を考える雑誌

「なごみすと」

 

今回、そのvol1を読ませていただきました。

マイノリティーや障害のある方へのインタビュー、

そして、経済学やインクルーシブ教育の視点

などから障害のある子どもたちの将来について、

色々な角度から考えさせられました。

 

私自身のこれまでの体験も踏まえて、

障害のある子の進路の問題について、

考えてみたいと思います。

 

お子さんの将来について、

悩まれている保護者や支援者が

将来の選択肢を増やす一助となれば幸いです。

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 目次

 

雑誌、なごみすとって何?

「障害者の生きる、学ぶ、働く」を考えるというテーマで、

障害のある方の自立を考える情報を発信している雑誌です。

より詳しくは以前の記事を参考になさってください。

www.karadamental-brog.com

 

 

私のこれまでの経験

私の経験として、

これまで障害のある子どもたちへの関わりとしては、

基本的には非常勤を掛け持つ形で、

  • 療育手帳の判定
  • 定時制高校の居場所事業
  • 通信制高校でのカウンセラー
  • 児童デイサービスでの療育を
  • スクールカウンセラー

などなど、色々な現場で

1~5年ほど勤務し、

障害のある子どもたちを見てきています。

 

大人を相手では、

  • 高次脳機能障害のリハビリ施設、
  • 就労支援の相談、
  • 専門学校でのカウンセラー

なども行ってきました。

 

その中で、

子どもたちと関わる場合でも、

結局どういった形で社会に出る力をつけていくのか

という視点は非常に重要なテーマだと考えています。

 

なごみすとを読んで感じた

子どもたちの進路を選ぶ際に

保護者の方に知っておいてほしいこと

について書く前に、

なごみすとvol.1の中身を紹介します。

 

なごみすとvol.1目次

なごみすとvol.1は2017年に発行された雑誌です。

内容は、

  • 特集 働くこと、生きること、一緒に考えよう!
  • 経済学✕障害者福祉 何ができるようになるかを考えよう。          慶應義塾大学商学部教授中島隆信さん
  • マイノリティー✕働く 誰がなんと言おうと、ワタクシはここにいます。(うるわ総合法律事務所 弁護士 中岡しゅんさん)
  • 障害者✕芸人 障害者芸人ってカテゴリーをつくりたい!(寝たきり芸人 あそどっぐさん)
  • 連載コラム・アートで食えるか? 現在美術というもの
  • 障害者✕働くこと 障害者も働けるように法律で決められている。
  • 障害者✕働く場所 特例子会社って何だ? 特例子会社設定要件
  • 障害者✕働く場所 全国の特例子会社一覧
  • インクルーシブな日々 大阪は世界一インクルーシブ教育が進んでるよね。(インクルーシブ(共生)教育研究所 堀智晴さん)
  • 支援介助法 やっかいなパニックを触れ合う機会に。(支援介助法協会 廣木道心さん)
  • インクルーシブな人 映画「風は生きよという」に出演。(大阪府立春日丘高校定時制2年制 新居優太郎さん)
  • これ見た?これ呼んだ? 独断と偏見の本と映画のおすすめコーナー

といった盛りだくさんな感じです。

 

進路を考えるのに重要と感じた点

私が非常に重要だと感じた部分は以下のような点です。

大阪の障害のある子どもたちの進学・就職事情について

冊子の中で、

大阪の現状について

「大阪では障害のある子どもが普通学校、高校に進学しているケースも多いです。そして重度の障害でも大学の履修生や聴講生になっていっています。けれどそれから一般に就職できるのは少数で、社会に出ると一緒に働けないんですよね。」

と述べられています。

 

重度の障害があっても、

大学の履修生になっていることがあるというのは、

過去にそういった方を知っていましたし、

定時制高校などでも、

車椅子などで身体障害の重い子が

ヘルパーさんの協力を受けつつ、

通ってきているのも見かけていました。

 

が、進学の可能性として、

そういった選択肢があるということは、

こうやって文章として読んで初めて、

納得出来た部分がありました。

 

知的な障害があまりに重いと

難しいところもあるかもしれませんが、 

このような将来の可能性もあるということは、

お子さんに何らかの障害があるとわかった時に、

保護者の方が知っておけると良い点ですね。

 

個人的には発達障害と言われた

乳幼児の知的機能については、

かなり伸びる可能性もあるように感じています。

 

こちらのブログでも

知的障害の改善については言及しており、

悩まれている保護者の方の参考になるかもしれません。

同リンクはこの記事の最後にも貼っておきます。

naosouhattatushogai.com

 

そして、進路については、

地域性もかなりあるかと思います。

ただ、実際の体験談から、

地域に働きかけていった方法を知ることで、

保護者の働きかけ方の参考にはなるかと思います。

 

そして、その後の就職についても、

色々と難しい問題があるようです。

この問題については、

また別の記事で触れていく予定です。

 

特別支援学校を選択するかどうかの難しさ

次になごみすとを読んで改めて考えさせられたのは、

支援学校を利用するべきかという点です。

 

冊子の中では、イタリアで

「1970年代には支援学校も廃止して今はほとんどない状態です」 

支援学校を必要としない選択をしている国

あることも紹介されています。

 

私の現時点での考えとしては、

どうしても支援学校が必要な層は存在するとは思います。

ただ、本当は支援学校に行く必要がない子どもたちも、

支援者などから勧められて支援学校に進んでしまう。

という現状もあるのではと感じています。

 

実際に、

私がこれまで定時制や通信制で見たケースの中では、

高校入学時点でテストはほぼ点が取れず、

対人関係も問題だらけだった生徒が、

高校生活の中でだんだんと成長し、

アルバイトなども出来るようになり、

卒業していった生徒などもいました。

 

おそらく、どこかの時点で

支援学校を勧められることもあったはずですが、

サポートしてくれる学校を見つけ、

保護者や家族もそれを支え、見守り、

本人が頑張ることで成長していきました。

 

こういった子が支援学校を選択していたら、

このような成長は難しかったのでは?と感じます。

 

その後が順風満帆だったかは

人それぞれですが、

支援学校高等部に進んだ場合には、

アルバイト出来る可能性や、

一般就職の可能性はかなり低くなります。 

が、定時制や通信制などの高卒資格があれば、

卒業後の選択肢はかなり広がります。

※2019年現在、支援学校高等部の卒業は高卒とはなりません。

 

もちろん、

本人や家族が頑張る気持ちがある前提ではありますが、

こういった選択も出来るのだという事実は

もっと広まって欲しいことだと思います。

 

地域の中で生きるのか

冊子の中で、

「親は自分の子どもがまだ小さいうちはとにかく専門的な教育を受けて、とにかく能力を上げて、って思いがちですけど、じゃあ、いつかは健常児においつくのか?それで将来は障害者だけの世界で生きていくんですか?それとも健常者とともに生きる生活をするんですか?ってなると親なき後を考えると、「この子は一人では生きていけない」って思ってしまう。学齢期は短いです。だから余計に学齢期に健常児と関わっておかねばいけないのでは?と思うのです。 

と障害を持つ子の親として、

考えてきたことが語られています。

実際に地域で生きられる

お子さんを育てられた方の言葉の重みを感じます

 

親なき後に関わり続けるのは、

結局地域に生きる人たちです。

そして、支援学校に入ると、

遠方に通うことが多くなるため、

地域の人々と関わる機会はかなり少なくなります。

 

お子さんが支援学校を利用し、

卒業後には福祉施設に入ってもらうことで、

将来も安全に福祉の枠の中で生きるというのも

もちろん選択の一つだと思います。

 

ただ、そうでなく、

地域の子どもたちと一緒に暮らす中で、

地域に居場所を見つけ、

自分の出来ることを広げる中で地域で生きられるようにする。

その過程には苦労も多いでしょうが、

親なき後にも地域で暮らせるようにする。

という選択肢もあるということは

知っておいてください。

 

どちらの選択肢が正しいというのではなく、

どちらの選択肢も知った上で選ぶことが、

後悔のない選択のためには大事なのではないかと思います。

 

手帳の取得問題について思うこと 

同じように、

手帳の取得というのも悩まれることが多い問題です。

 

療育手帳や精神障害者保健福祉手帳など、

持つことで税制面や周囲の理解など、

サポートを得られやすいところはあります。

 

ただ、将来的に、

保険やローンなどに入りにくくなるようなことも

デメリットとしてあったりしますが、

なかなかこれは語られることがありません。

支援者も知らないことが多い気がします。

 

特に、高校進学を機に手帳を取って

支援学校に入ることを考えているという

話をしばしば聞きます。

 

その中には、

必ずしも手帳を持たなくとも、

手厚くサポートしてくれる

支援校以外の学校を選ぶ選択肢もあるのでは、

と感じる子も少なくありません。

 

そういった背景には、

何よりも支援者が

他の選択肢の情報を知らず、

それを勧めているようなこともあります。

 

そういった時には、

きちんと高校の見学に行ってみたり、

情報を自分で集めていくことが必要になります。

結局、本人がここで頑張りたいと思えるかどうか、

ということは非常に重要な要素です。

 

大阪の情報になりますが、

高校進学については、

こちらの記事で紹介している

なごみすとvol3で詳しく選択肢が紹介されています。

www.karadamental-brog.com

他の地域の方であっても、

興味ある保護者さんは一度ご覧になってみると、

役に立つ部分はあるもしれません。

 

なごみすとを読んでみたい方は、

なごみすとの通販サイトからご注文が可能だそうです。

nagomisuto.shop-pro.jp

 

地域で生きる子どもたちを育てるために

ここまで、

なごみすとの内容を参考に、

私の経験も交えつつ、

障害のある子の将来の選択肢について

色々と紹介してきました。

 

保護者のみなさんは

子どもの将来について、

必ず悩むと思いますし、

コレが正解という選択はない

のが現実なのかとは思います。

 

それでも、

「これしかないんだ」と思いながら選ぶのと、

選択肢を知った上で、

「コチラのほうがこの子のために良いだろう」

と思い、選ぶのでは、

その選択の後の後悔は変わってきます。

 

今回お伝えした情報も参考に、

保護者のみなさんが、

お子さんのために一番良いと思われる選択を

していってもらえたらと思います。

 

最後に

私個人としては、

地域で生きられる子どもたちが増えるように

というのを理想として支援を行っています。

 

その中では、

  • 身辺自立をしていくこと、
  • 社会的に失礼のないやりとりが身につくこと

の二点が大事であると考えます。

 

ただ、この2つを達成するためには、

土台となる身体がきちんと発達している必要があります。

そのために出来ることのヒントは

こちらの記事で紹介していますので、

ご興味ある方は一度ご覧になってみてください。

www.karadamental-brog.com

 

途中で紹介していた、

知的障害の改善について

言及しているブログも再掲しておきます。

naosouhattatushogai.com