【心身の発達とセルフケアを考えるからだメンタルラボblog】

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心身の不調を呼ぶタンパク質の不足問題【分子栄養学から見る最も重要な栄養素】

前回も書いた通り、

様々なメンタル不調に

栄養も関係するということが分かってきています

 

その考え方の背景にあるのは

分子栄養学という

新たな栄養学の考え方です。

 

その理論に基づくと

優先して摂取するべき栄養素はタンパク質となります。

 

今回の記事では、

分子栄養学とはどういったものか?

どうしてタンパク質が重要なのか?

といったことについて紹介します。

 

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分子栄養学についての部分は話がややこしいので、

理屈はともかく、

セルフケアのための食生活の工夫だけを知りたい方は

分子栄養学とは?の部分は飛ばしてお読みください。

 

 目次

分子栄養学とは?

分子栄養学とは

物理学者の故三石巌氏が提唱した

新たな栄養理論です。

 

この理論は分子生物学の知見を基に、

生物が健康な状態を保つために

必要な栄養素を分子のレベルから考えたものです。

 

うつや発達障害などに

神経伝達物質が関わることがわかるようになってきたのも、

分子生物学での研究が発展してきた成果といえます。

 

つまり、 

栄養素が体内でどのように取り込まれ、

どのような化学変化を起こしているのか、

化学変化がどのように人の心身に影響を及ぼすのか

といったことが明らかになってきているのです。

 

そういった研究成果を基に、

三石先生は

遺伝子レベルから栄養の問題を考え、

  • なぜガンが発生するか、
  • なぜ高血圧が生じるか、
  • なぜ老化が起きるかなど、

色々な健康問題に関わる栄養素について説明しています。

 

この理論を全部説明すると、

膨大な量になるので、

詳しく知りたい方は

『分子栄養学のすすめ 健康自主管理の基礎知識』

をご覧になってみてください。

体質はどうして生じるのか?

分子栄養学の理論の中で、

私が特に重要だと考えている点として、

個々人、一人ひとりの体質に差がある

原因が説明されているところがあります。

 

詳しくは先程紹介した本を読むのが

一番わかりやすいですが、

ここでも簡略化したものを紹介します。

 

人の体の中で生じる代謝

約3000の代謝があると言われています。

代謝によって、

ストレスホルモンが出たり、

神経伝達物質が作られたり、

様々な健康を保つための機能が働きます。

 

代謝の流れ

代謝で様々な化学物質が作られる流れを

コーディングといいます。

 

コーディングの流れは

DNA→RNA→酵素タンパク→代謝産物 

という動きが生じているそうです。

 

これは

DNAの情報をコピーして、

それがRNAによって翻訳されて、

その情報を基にして、

タンパク質や酵素タンパクに働きかけて、

目標物を作るという流れです。

 

酵素タンパクの差が体質を作る

代謝の流れの中に出てきた

酵素タンパクの形には

個々人によってバラツキがあるのです。

 

なので、

  • 神経伝達物質を作る酵素タンパクの形が良いAさん。
  • 神経伝達物質を作る酵素タンパクの形が悪いBさん。

の二人がいる場合、

 

Aさんにとっては十分健康を保てる栄養量であっても、

Bさんが同じ栄養量を摂った時には、

酵素タンパクの形の悪さから、

必要な神経伝達物質が作られなくなり、

うつなどの症状が出ることがあるわけです。

 

この必要量の差は10倍であることもあれば、

100倍であることもあるそうです。

 

それが、約3000ある代謝によって、

それぞれ必要な酵素タンパクは異なるため、

その良い形、悪い形のバラツキにより、

体質の差が生まれてくるわけです。

 

この個人個人の差を埋めるために

大量のビタミンなどを摂取し、

個体に必要な量が取れれば健康の維持が出来ると考える

パーフェクトコーディング理論が分子栄養学の1つの柱です。

 

では、分子栄養学の観点から、

優先して摂取するべき栄養がタンパク質なのはなぜでしょう?

 

いちばん大事なタンパク質

代謝を働かせるための根本はタンパク質

先程紹介した代謝の流れの中で、

酵素タンパクによって体質の差が出来る

ということをお話しました。

 

この酵素タンパク自体は、

摂取されたタンパク質が材料になるのです。

 

そして、

タンパク質自体が足りていないと、

他の栄養を摂っても、

体内で活用するために

必要な酵素タンパクが足りず、

無駄になります。

 

前回の記事で、

鉄不足の人は

タンパク質も足りないことが多い

ということも書きました。

 

www.karadamental-brog.com

これはつまり、

鉄だけを摂っても、

それを利用する酵素タンパクが足りないため、

摂り込んだ鉄を利用しきれずに

改善が見られないこともあるということです。

 

そういったわけで、

何よりもまず最初に

タンパク質をしっかり摂る

ことが重要です。

 

タンパク質不足で生じる症状

タンパク質が足りないと起きる症状として、

三石先生は以下のようなものを挙げています。

肥満

貧血

胃下垂

遊走腎

免疫不全

骨折

肌荒れ

老化促進 

 

非常にバリエーション豊かですが、

タンパク質は内蔵や皮膚、髪や神経伝達物質など、

色々なものの材料であることを考えると、

これだけ様々な症状が出ることは

納得出来ます。 

 

そして、タンパク質不足で

内臓の働きが悪く、

栄養を摂っても活かされない

という状態があるのであれば、

他の栄養不足の症状も同時に出てくるはずです。

 

タンパク質は一日どのくらい必要?

それではタンパク質はどのくらいの量が必要なのでしょうか。

三石先生曰く、

成人は、体重の1000分の1の量のプロテインスコアのタンパク質

発育期の子どもや妊婦では、これの50パーセント増しの量がいる 

そうです。

つまり、体重50kgの成人で1日50gということですね。

 

プロテインスコアとは

まず、プロテインとは英語でタンパク質のことです。

 

そしてプロテインスコアというのは、

食べ物の中の必須アミノ酸の量を数値で表したものです。

詳しくはこちらのサイトで紹介されています。

 

一部を抜き出すと、

100が最も良質となるのですが、

100あるのは卵とシジミのみです。 

あとは

鶏レバー・サンマ96、

豚レバー94

イワシ91

豚肉・マトン90

と続いています。

 

これを見ると、

基本的に動物性タンパク質の

プロテインスコアが高いことがわかります。

 

ですので、

タンパク質を摂取するにあたっては、

なるべく卵・肉・魚を摂取する必要があります。

 

特に卵はビタミンC以外の栄養が豊富なため、

毎日多めに摂ることがおすすめです。

 半熟卵など、

適度に加熱されているものの方が

栄養の吸収が良いそうです。

 

ちなみに、

かつて言われていた

「卵は一日一個まで」という

基準は根拠がないとして、

2015年ごろに撤廃されています。

 

 

タンパク質の必要量を食べるとしたら

先程も書いた通り、

体重50kgの人で

一日50gのタンパク質が必要です。

そんなに多くない量と感じるかもしれませんが、

100gの牛肉≠100gのタンパク質ではありません。

 

実際の必要量は、

この図を見てください。

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この表を基に考えると、

卵3個、豚肉150gは必要ということになります。

成長期や妊婦さんはもっと多く必要なわけです。

 

卵を1日1個だとすると、

他の魚や肉類はかなり多く必要になります。

 

ダイエットなどを考えて、

ヘルシー志向な食生活を目指してしまうと、

かなり足りなくなる可能性が高いです。

 

ここでは詳しくは触れませんが、

基本的に太る原因というのは、

タンパク質や脂質がメインではありません。

太るのが心配という方は、

ご飯や麺などの炭水化物を減らすことがポイントです。  

自分自身の体験から 

元々の食生活

分子栄養学の考え方を知った時、

自分の食生活を振り返ると、

私自身、タンパク質が必要量摂れている日は

週の半分ほどでした。

 

体のだるさや節々の痛みなど、

細かな不調も感じられていたため、

実践してみました。

 

その中での、

タンパク質を摂るための工夫として、

  1. 意識的にお肉と卵を多めに摂る
  2. おやつにはチーズやプロテインバーなどの高タンパクなもの
  3. 朝夕にプロテイン摂取

を行いました。

 

そして、これらに併せて、

糖質を減らすことと、

サプリでビタミンの補充も行っていました。

 

なぜ、糖質を減らすことが必要かについては、

また別の機会で紹介出来たらと思います。

 

実感した効果

一月ほどしたところで、

7年ほど治らなかった

おでこのブツブツがキレイになくなりました

 

併せて、

歩く際に膝の痛みを感じることがしばしばあったのが、

ほとんどなくなるといった変化が見られました。

 

4ヶ月ほど経った春頃には、

毎年花粉症の時期はマスクと薬が手放せなかったのが、

この春にはどちらも使用せずに過ごせる状態となりました

 

まだ今年はくしゃみは時々あったため、

来年の春に向けて、

もう少し栄養を調整しつつ、

身体を整えていってみる予定です。

個人的な最終目標は花粉症の完治です。

 

花粉症にはビタミンの効果も大きいはずですが、

まずタンパク質が足りないと、

ビタミンを摂っても吸収が十分にできなくなるため、

ひとまずタンパク質を摂ることから

やっていくことは重要かと思います。

 

栄養の工夫をするメリット 

栄養の工夫を色々としていくと、

段々と自分自身の健康に対して、

「自分で出来ることがある」という、

自己効力感も出てきます

 

また、体調が整うことで、

気分も上向きになりやすくなります

 

メンタル不調があると、

自分で出来ることが何もないように感じ、

自信を喪失したり、

体調も悪く、気分も悪い

といった状態で悪循環になっていくことも

少なくありません。

 

その悪循環を改善し得る方法として、

自分で食生活を工夫するというのは、

取り組みやすいポイントだと思います。

 

 

ちなみに最近は、発達障害のある

子どもたちの成績を伸ばすのに、

プロテイン摂取が有効

といった話なども出てきています。

ameblo.jp

 

この記事を読んで、

なるほどと思われた方は、

自分の健康や、

子どもたちの健康のために、

普段の食生活の中で、

タンパク質を意識的に増やす工夫をしてみてください

 

もしやってみていい変化があれば、

聞かせていただけたら嬉しいです。

 

 

ちなみに、

この分子栄養学の考え方は

前回の記事で紹介した藤川先生の

鉄不足の問題の考え方の基礎になっているお話です。

www.karadamental-brog.com

今回の記事と前回の記事が

こちらの記事で発達障害のあるお子さんに

鉄とタンパク質を薦めた背景となっています。

 

www.karadamental-brog.com

 

分子栄養学について、

もっと詳しく知りたい方は三石先生の書籍を読む以外に、

amazonのkindle unlimitedに

分子栄養学の本が何冊かあります。

初回は30日無料になるので、

そちらで読んでみるのもおすすめです。

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