【心身の発達とセルフケアを考えるからだメンタルラボblog】

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ショックな映像を見て眠れない、不安な時に役立つセルフケア

先日、“あなたの番です”

というドラマを観ていたのですが、

なかなかにショックというか、

不快というか、そんな展開に

観ていてげんなりしました。

 

その日はなかなか

その内容が頭から離れずに

寝付くのに少し時間がかかりました。

 

最近はテレビやネットなどで、

ショックな映像に

思いがけず

触れてしまう機会も増えています。

 

なぜ、

そういった映像は増えているのか。

そして、そういった映像が

ショックで不安、寝付けない時に出来る

オススメの対処法を

ご紹介していきたいと思います。

 

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 目次

  

なぜ、過激・ショックな映像は増えるのか

最近は、

ドラマなどでも、

視聴者の意表を突く為に

過激な演出や

ショックな展開をするものは

増えてきている印象があります。

 

その背景には2つの要因があるのでは、

と私は考えています。

 

1.カタルシスと差別化

物語を盛り上げるためには

一度窮地に陥るなど、

沈む展開があり、

そこから一発逆転をすることで

カタルシスを得られる

という王道の展開があります。

 

古いもので言えば、

一寸法師でも、

物語の中で、

鬼に食べられてしまい、

そこから逆転をするという、

カタルシスの構造がみられます。

 

ただ、

この王道ともいえるパターンは、

それこそ色々な物語で使われるため、

より過去の物と差別化をする必要が出てきます。

 

そうする中で、

どんどん過激なものになったり、

ショックな展開を目指したり、

といった形を追求せざるを

得なくなっているのだと考えられます。

 

2.極端なものが注目を集めるネット社会の構造

増加を加速させる要因のもう一つは、

ネット社会の拡大が関連していると思われます。

 

ネットでは、

視聴数を稼ぐことによって、

収益を得られるようなシステムがあるため、

視聴数が増えやすいものが重視されます。

 

ではどういったものが

人から注目を集めやすいのかといえば、

中立なものよりも、

良い、悪い、

いずれかに偏った物が

人からの注目を集めやすいです。

 

そのため、

人にショックを与える、

映像も増えやすい時代になっています。

 

ショックな映像が人に与える影響

不快な映像を見ると、

その人の中の安心感が揺るぎます

安心感が揺るぐとどうなるのでしょう?

 

安心感が揺るぐことで生じる状態

  • なんとなく落ち着かない
  • 気分が沈む
  • 眠れない
  • 映像が頭から離れない
  • イライラしやすくなる
  • 恐怖を感じやすくなる

といった色々な状態が生じる可能性があります。

 

これらはいわゆるトラウマの症状に近いものです。

トラウマについて知りたい方は

以前の記事を参照してみてください。

この記事の最後にもリンクを貼っておきます。

 子どもに出る状態

大人であれば、

あれを観てから落ち着かないなどと、

自分で現状を理解することが出来ているので、

比較的被害は小さいことが多いです。

 

しかし、子どもの場合、

まだ自分の状態を

うまく言葉にできないことも多いので、

その映像にショックを受け、

怖くて寝付けない、

落ち着かないけど、うまく説明できない。

周りからは、ただ、最近落ち着きがない、

イライラしやすいとだけ見られてしまうこともあります。

 

なるべくそういった

映像に触れないように

配慮することも大切ですが、

その不安感が処理されるよう

普段から関わってあげることも大切になります。

 

それでは、どう対処していけばいいのでしょうか?

 

間違った対処法と私の行ったセルフケア 

思い出さない・忘れようは難しい

まず、よくあるのが、

「思い出さないようにしよう」

「忘れよう」

と頑張ることですが、

これは逆効果になります。

 

NLP(神経言語プログラミング)

という理論でよく使う表現に

脳は「否定形を理解できない」

というものがあります。

 

以下の指示を試してみてください。

 

  • 「自分の手を意識しないでください」

 

  • 「絶対に自分の手を意識しないでください」

 

  • 「自分の手の感覚を忘れてください」

 

手の感覚はどうなったでしょうか?

むしろ手の感覚が強くなりませんか?

 

否定する指示を繰り返すと、

脳はその否定の部分を理解できず、

逆にそれを意識するようになるのです。

 

つまり忘れようと思えば思うほど、

その記憶はしっかり思い出されてきます。

 

では、どうすればいいのか。

私がした対処

 最初にお話した、

私が映像を観てショックを感じた後には、

このように対応しました。

 

まず今、

嫌な映像を観たという事実、

そして嫌な気分があるということを認めます。

 

その上で、

自分で大きく全身をふくらませるように息を吸い、

しぼませるように吐く。

そうしながら、

足、ふくらはぎ、ふともも、お尻、

背中、お腹、腕、胸、首、顔、頭など、

身体の各部位に注意を向けていきます。

 

そうすると段々と心身が落ち着き、

数分ほどして、

気づくと眠りに落ちていました。

 

 

これは何をしているのかというと、

不快な感情を受け入れ、

その波が過ぎ去るのを待ちながら、

ラクに呼吸をして、

自分の身体を確認することで、

自分の中の安心感を取り戻す作業です。

 

 

つまり、

  1. 感情を認めつつ、その波が過ぎ去るのを待つ
  2. 自分の安心感を高める

といった2つの作業が、

ショッキングな映像が

頭に残っている時などには役立ちます。

 

2つの対処の基本 

1.感情を認めつつ、その波が過ぎ去るのを待つ

感情が常に同じ強さで

続くことはありえません。

 

どんなに強い感情であっても、

受け入れて待つことで時間が経って、

その勢いは弱まっていくものです。

 

その事実を認めて、

不快な感情があっても、

やるべきことに目を向ける。

 

感情に振り回されずに、

出来ることをやる。

そうしていると、

段々その感情は和らいでいくと言われます。

 

これは森田療法といわれる、

不安障害やパニックなどに

高い治療効果を発揮する

心理療法で言われる理論です。

 

子どもにはこれを説明しても、

難しいことは多いです。

 

ただ、大人であれば、

自分でそういうものだと理解し、

不安や不快な感情があっても、

それに振り回されないで、

やるべきことをやることが出来るように練習することで、

自分の中で感情を抱える力が育っていきます。

 

2.自分の安心感を高める

固有受容覚を働かせる

こちらは子どもでもやりやすい方法です。

人間には固有受容覚という感覚があります。

 

これは、自分の身体が

いまどういった状態かを

認識するための感覚です。

 

この感覚により、

目を閉じていて肘を曲げても、

今腕はどのくらいの角度だ

ということが分かります。

 

キーボードを入力する際に、

手を見ないでも

どこのキーを叩いているか分かるのも

この感覚のおかげです。

 

この感覚が弱くなっていると、

自分が今どこにどのように存在しているのか、

ということが分かりづらくなり、

不安を感じやすくなります。

 

そこで、

自分で意識的に注意を向けることによって、

その感覚を賦活させてあげるのです。

 

この固有受容覚が働かせるためには、

注意を向けることも一つですし、

マッサージのような方法で、

腕や脚、身体などを刺激してあげることも可能です。

 

自分で気持ちいい感じがするように

試行錯誤してみることがおすすめです。

 

胎児の感覚を味わう 

また、安心感の醸成のためには、

親子や夫婦などであれば、

胸や背中に耳を当てて

心臓の音を聞かせてあげることも効果的です。

 

子どもであれば、

布団で横になって

抱き抱えた状態で

耳を胸の辺りに当てて

心音を聞かせてあげましょう。

 

胎児の頃の感覚に戻ることができ、

安心感を育む効果が期待できます。

 

ツボの刺激 

以前、相談のあったケースでは、

印堂をマッサージすると

子どもが落ち着いたという報告もありました

 

印堂とは眉と眉の間(画像赤丸

にあるツボで、

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前頭葉と関係があるとも言われます。

また、フェイスマッサージのセラピーなどでは、

不安と関係のあるツボの一つだそうです。

 

ここの刺激は自分でも簡単でできますので、

「今自分は落ち着いている」などと、

自己暗示をかけながら、

触ることで落ち着きやすくなる効果が期待出来ます

 

まとめ 

今回は、

ショッキングな映像が

多くなっている背景とともに、

それが頭から離れない時の

簡単な対処法を紹介しました。

 

映像が思い出されて

なかなか寝付けない時、

落ち着かない時などにお試しください

 

以前にご紹介した、

フラッシュバックへの対処法も

役立つことがあるので、

ご興味ある方は

一度ご覧になってみてください。

 

www.karadamental-brog.com

 

記事中に紹介していた

NLPや森田療法について知りたい方は、

以下の二冊が入門としてオススメです。